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ヒュアデスの銀狼
SS2  オイシイゴハン
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界が変わる。
 グニャリッと空間が歪み、やがてクレヨンで描いたような花畑の景色に変わった。その頃には、人間達はいなくなっていた。

 ここは、魔女の結界。通常なら魔法少女、あるいは、それになれることができる素質を持つ人間にしか見えない場所。
 そして、ここを支配するのは。


 オ〜ハナ サカセマショ〜


 魔女。

 クレヨンの花畑の主であると言わんばかりの、大きなヒマワリのような花の異形がそこにいた。

 先ほど集団自殺を図ろうとした人間達は、魔女の口づけという呪いを受けて操られた人間達だ。
 魔女は、こうして人間を戯れに襲い、呪いをかけたり、結界に迷い込ませたり、手下にして自身の分身である魔女の手下を使い人間を殺す。
 カズは、その正体がなんであるか知っている。
 そもそも…、自分が生まれるきっかけともなったのだということを生まれながらに知っていた。

 魔女とは、魔法少女がやがてなる成れの果て。

 ソウルジェムという魔法少女の力の源にして、彼女達自身である魂の結晶たる石が濁り、やがてグリーフシードへと変じた結果生まれるのが魔女だ。
 魔法少女は、力を使ったり、感情の動きによってソウルジェムが濁る。
 そのため、定期的に濁りを取るため、魔女を狩り、グリーフシードを手に入れなければならない。
 しかし、多くの魔法少女は、魔女の正体を知らない。
 そして、知れば絶望する。
 そして、その絶望はソウルジェムを濁らせる。
 そして、ソウルジェムが濁りに濁ると魔女となる。
 つまり、どうあがいても魔法少女は、魔女となる運命なのだ。

 アカ〜イオハナ アオ〜イオハナ タクサンタクサンサカセマショ〜

 魔女が歌う。
 クレヨンの花畑の花びらが舞い上がり、そして、宙でいったん止まると、まるで弾丸のようにカズに向かって飛んできた。
 カズが吠える。
 直後、結界の景色が半分、カズの結界である楽園のようなものに浸食された。その景色の中にさしかかったとき、花びらがかき消えた。
 メキメキバキバキとカズの体が変化し、二本足の狼男のような姿へと変わる。ただし、四つ足のオオカミと同じく山羊の角と鳥の翼はある。
 カズが跳ぶ、その速度に魔女がハッとした途端、魔女の腹部辺りにカズの跳び蹴りが入っていた。
 魔女の巨体が飛んでいく。カズは、凄まじいスピードで吹っ飛んでいく魔女を追い、拳を連続で振るった。
 格闘ゲームで言う、打ち上げのように宙で浮かされた状態で強烈すぎる打撃を受け続け、魔女が口らしき場所から吐血した。
 魔女が弱まっていくと、結界がどんどんカズの結界に浸食され、やがてすべての景色が楽園のような世界に変わった。
 地面に叩き
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