第18話
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こと違って補給拠点は隠蔽してないから、連邦軍にとっては唯一判明している私達の拠点かもしれない」
「敵襲必至じゃねぇか!」
「しかも他の仲間達には、可能な限り敵はミスターに回せと伝えてある」
「イジメか!」
「入団テストだ。リリアナであれ戦闘団であれ、足を引っ張るヘタレは必要ない」
その言葉をきっかけに、格納庫の中の空気が変わった。見た目だけならそこらの青年と変わらないストレイドだが、その中身は理想というバグで暴走した最強の殺戮機械だ。目的の為に全てを犠牲に出来る意思と、破壊して来た実績と、押し通してきた自信が、見えない圧力となってレンチェフへとのし掛かり、その心臓を絞り上げる。
「……わかっ、た」
回れ右して走り出したくなる衝動を辛うじて抑え込むと、レンチェフはどうにかそれだけを口に出した。
「期待している。シマはいつものようにオペレーターだ、管制機に乗ってくれ。ミスターは後輩になるのだから、しっかり面倒を見るように」
ストレイドはレンチェフの返事に頷くと後ろに控えている女性兵士にも指示を出し、格納庫の更に奥に向かって走って行った。同時に霧散するプレッシャー。
「……ぷあぁっ……ふーっ……ふーっ……なんつー迫力だ。あいつ、一体なんなんだ!? 人間じゃないんじゃないか」
ストレイドの姿が見えなくなると、レンチェフは酸素を貪りながらぼやいた。軽く頭を振りながらふと後ろに目をやると、まとめてプレッシャーに晒されたのか女性兵士も青い顔をしている。同病相憐れむというわけではないが、同じ境遇にある人間として親近感というか連帯感を覚える。
「あんたも大変だな。ええと、シーマ……だったか? まさかと思うが海兵隊じゃないよな?」
海兵隊のボスとして悪名を轟かせているのはシーマ・ガラハウ少佐だ。その存在をレンチェフは名前しか知らないが、目の前の女性兵士はどう見ても同名の別人だろうと思えた。独立重駆逐戦闘団というかリリアナの基地に来て以来、常に予想の斜め上しか体験しなかったレンチェフだったが、さすがに今回は普通の展開だった。
「私は海兵隊のシーマではありません」
「だよな」
海兵隊の悪行は軍内部でも問題になっているほどなので、そんな集団のボスと同僚というのは勘弁願いたいレンチェフは、女性兵士の返事に胸を撫で下ろした。ただでさえ、レンチェフは最悪のテロリストの部下にされていて、心理的にいっぱいいっぱいなのだ。この上さらに愚連隊のボスとよろしくできる余裕などない。難しいことは考えず、気持ち良く戦争がしたかった。
その意味では、知らない間にテロリストにされていたことは衝撃だったとはいえ、地球人を容赦なく殺す組織と過激なリーダーというのは悪くないのかもしれない、とレンチェフは考えた。今大戦を地球人と宇宙移
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