第18話
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はよく知らないんだ。使ってるのはACやMTだから。これの開発にも協力したけど、リリアナとして協力しただけで、私自身が協力したわけでも詳しいわけでもないんだ」
「……あんた、自分で団長だって言ってたよな?」
「私の場合、団長というのは名前だけ。一番強い奴くらいの意味しかないんだ。私は前の団長の個人的な相棒ってだけで、リリアナとほとんど無関係だったから」
「無関係でトップになれたのか!?」
「ほとんどって言ったろ? 少しは関係あったんだよ」
少しというのは、互いに殺し殺されという関係である。ストレイドが一方的に殺しまくるだけで、リリアナは一矢報いることも許されなかったが。
「で、本当にいろいろあって団長が死んで、なんだかんだで私が跡を継いだわけだけど、組織運営とかわからないから」
ストレイドは人殺しの次に家事が得意だが、家計は回せても組織を回す才能は欠けていた。本人に自覚があったのは本人にとっても周囲にとっても幸いだったろう。ストレイドはリリアナの頭となったが、おかげで組織運営に口を出すことは殆どない。
つまりストレイドとリリアナの関係とは、組織の支援を欲した最強のテロリストと最大戦力を失った組織が手を結んだ、いわゆる幸福な結婚と呼べるものだ。その結果が人類の過半数が死ぬという大惨事となったのは、幸福と言って良いか判らないが。
「そんなわけで、こいつに関しての説明は得意な人に任せる! 私は私の得意な事を準備するから、ミスターはこいつに乗ってリフトで上に。テストは簡単、私達の中でも選りすぐりの連中が指定座標を目指して移動するので、付いて行ければ合格、脱落するようならアウト」
それを聞いたレンチェフの口元が歪む。
「簡単に言うな、慣らしもないのかよ」
「道中で慣れてくれ」
あっさりしたストレイドの言い様だったが、レンチェフはその中に違和感を覚えた。指定座標の移動中に機体に慣れろ。それではまるで、移動先で何かあるようではないか。
レンチェフの疑問に大きく頷くストレイド。
「ある!」
「あるのかよ」
「ざっくり説明すると、私が地中海の東側で働いたので、巻き込まれたくない連邦軍艦隊の生き残りがジブラルタル沖に集結しているらしい」
「ふん」
「それを叩く」
「……はぁ!?」
「心配御無用、殺るのは私。ミスターは他のみんなと一緒に移動して、指定座標に設営中の補給拠点を警護」
「……焦らせるなよ、いきなり実戦かと思ったぜ」
安堵するレンチェフだが、現実は常に期待を粉砕する。ストレイドの答えはまさにそれ、しかも内容は太鼓判だった。
「正直、実戦はあり得る。ここから中東、北アフリカ一帯を私達は実効支配しているけど、それは域内に連邦軍が存在しないことを約束しない。なにより、半地下のこ
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