お休みなさい士郎くん
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小太郎だろ。自分が自分を定義してる通りに在れてるなら、生まれなんかどうだっていい。お前は風魔の小太郎だろう? 外見とか血とか生まれとか、些細な問題だ」
「……」
「どうした?」
「いえ……。……主殿は、その……あまり、えばらないのですね。あ、いえ、威厳がないとか、怖くないとか……そういう意味ではなくて、大変……お仕えしやすいです」
なんだコイツ。純真か。思わず頭を撫でてやると、擽ったそうにしながら慌てていた。
なんだコイツ。純心か。思わず心が洗われる。こんな忍者に仕える主認定された奴は幸せだな。という事は俺は幸せ者か。
……カルデアとの通信は繋がらない。一応、第四特異点の攻略指南書はデータに纏めて、カルデアに送信してみるが、やはりなんの手応えもないまま。
……。
「そろそろこの町を出よう」
「はい、そうですね」
長居しすぎた。俺がそう言うと、小太郎はあっさり同意してくれる。
「訳は聞かないのか?」
「はい。雇われたからには、お仕えします。それにこれ以上はケルトの侵攻を防ぎきれません。更なる大軍が差し向けられるか、敵サーヴァントに襲撃される恐れがある。こちらから仕掛けるのはいいにしても、敵から仕掛けられるのは面白くありませんから」
「……」
思考停止して諾々と従うだけでなく、自分の頭でも考えてくれている。……やはり忍者はプロ意識の高いサーヴァントだった……?
最優の称号がセイバー、最速がランサー、最強がバーサーカー(ヘラクレス)なら、最高はアサシンかもしれない。最高のアサシン、と本当は呼ばれるべきだ。切嗣もアサシンだからな。
「よし。なら荷物を纏めてさっさと出よう。その前に、」
「破壊工作していきますね。僕達が立ち去った後に来たケルトを壊滅させるために」
「……」
忍者、最高だ。俺は無言で頷き、これまでちまちま投影していた宝具爆弾を小太郎に渡す。
小太郎には俺の能力も伝えている。わあ、便利ですね、が彼の感想だ。凄くシンパシーの湧く感想だった。小太郎は各所に投影宝具を設置し、忍者としても罠を幾つも仕掛け、更には忍術で幻や落とし穴など多数の置きお土産も残した。
日が暮れる前に無人の町を出る。嚢に纏めてある荷物を背負い、俺は切り立った丘まで来ると、町にケルト戦士が来るのを待つ。そして日没を迎えて暫くすると、総勢百のケルト戦士が夜襲に来た。町に入ったのを視認し、小太郎の罠にケルトどもが掛かるのに合わせ、投影宝具を爆破する。掃除は完了だ。小太郎と拳を合わせる。
小太郎少年は、気恥ずかしそうに微笑んだ。
「僕は人でなしかもしれませんが……それでもいいと今は思えます。ありがとう。今は貴方という主の為に……自分の全てを使いたいと思います」
「バカか。そういうのは、もっと後
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