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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第93話
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していた。


「フフ…………とにかく今回は本当に助かった。グラーフの奪還もそうだが――第U分校のおかげで、新海都の被害も最小限に抑えられ、オルディスの被害は皆無でクロスベルとの国際問題も発生しなかったと言えるだろう。」

「はは…………准将もお疲れ様でした。幻影とはいえ魔人との戦い…………正直、気が気ではありませんでしたが。」

「ハハ、凌ぐだけで手一杯といった結果だったがな。亡霊とは言えあれの本物と互角に渡り合えたというアルゼイド卿の御力が思い知れるよ。」

「よく言うぜ…………アンタも十分化物だっただろ。」

「クク…………機会があれば、是非手合わせ願いたいぜ。」
リィンの言葉に対して苦笑しながら答えるウォレス准将をランディは苦笑し、ランドロスは興味ありげな様子で見つめていた。
「さすがは黄金の羅刹の右腕と言うべきか…………」

「ハッ…………やっぱエレボニアは広いっつーか。」

「フフ、第Uにしても地方軍にしても、ギルドの諸君にしてもお疲れだった。サザ―ラントの事件に続いて、重ね重ね礼を言わせてもらうよ。」

「フッ、特に第Uについては華々しいといってもいい働きだ。ひょっとしたら―――皇帝陛下から表彰を受ける可能性も十分あるんじゃないか?」

「こ、皇帝陛下って………!」

「ユーゲント三世陛下ですか………」

「えっと…………という事はその人がアルフィンのお父さんね。」

「さ、さすがに畏れ多いですね…………」

「…………へえ、皇帝か。そういえばエレボニアの皇帝はまだ生で見た事はなかったな。」

「ふふ、威厳と聡明さを兼ね備えた立派な方でいらっしゃいますよ。」
パトリックの言葉に新Z組のまだ見ぬユーゲント皇帝に対して様々な反応を見せていた。


「それにしても―――各地での結社の”実験”とやら。ここにきて極まった感があるな。」

「そうね、恐らく”神機”の”実験”は2年前のクロスベル動乱の件を考えるとあの機体が最後だと思うし。」

「うーん、神機や鉄機隊も全部”英雄王”達に持っていかれちゃったからね〜。そっちはその件についてまだ何も情報が来ていないの〜?」
考え込みながら呟いたユーシスの言葉にサラは頷き、意味ありげな笑みを浮かべたミリアムはリィン達を見つめて訊ね、その様子を見たユーシス達とリィン達、それぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「ハハ、例え彼女達から結社についての情報を引き出せたとしても、そんな早くに俺達にまで回って来ないさ。」

「―――ま、鉄機隊の取り調べはリアンヌ分校長が直々にするらしいから、パパ達から貰える情報の正確性については保証できると思うわよ。」

「そうですわね…………彼女達の高潔さを考
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