外伝〜ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン〜後篇
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「オズボーン宰相達を廃した後に起こるかもしれない兄様に迫る危機の可能性…………?―――ミュゼさんは兄様に関して一体どのような”盤面”が見えたのですか?」
ユーディットの説明に微笑んだミルディーヌ公女は意味ありげな笑みを浮かべてエリゼを見つめ、ミルディーヌ公女の答えにその場にいる全員がそれぞれ血相を変えている中エリゼは真剣な表情でミルディーヌ公女に訊ねた。
「―――七大罪の魔神の一柱、精霊王、竜の姫君、異世界の女神を伴侶にし、他にはエレボニア皇家、クロスベル皇家、RF(ラインフォルトグループ)、ディアメル子爵家、カイエン公爵家からもそれぞれ伴侶を迎える事で縁戚関係となり、更には”騎神”という古代遺物同然の存在を自身の”信念”の為に使用し続け、将来は広大なクロイツェン統括領主になる事が内定しているリィン教官の存在を危険視した方々が、リィン教官の暗殺を図る事ですわ。首謀者は…………古代遺物の管理は教会であることを絶対とする考えを持つ七耀教会の封聖省や僧兵丁の一部の過激派といった所でしょうか。」
「!!」
「そ、それは…………」
「…………確かにリィンさん自身は意識していないとはいえ、彼は魔神や女神と言った”超越した存在”と”結婚”という形で盟を結び、更にはエレボニア、クロスベル皇家、ゼムリア大陸でも最大規模の導力器メーカーやエレボニアのトップクラスの四大名門の一角とそれに次ぐ貴族の家とも縁戚関係を結ぶことになっている上”騎神”の乗り手とリィンさん自身も”公爵”に内定しているという事実―――個人でありながら権力、戦力共に”国家クラス”を保有するリィンさんを危険視する人物が現れてもおかしくないわね…………」
意味ありげな笑みを浮かべたミルディーヌ公女の予測にエリゼは目を見開き、キュアは不安そうな表情になり、ユーディットは複雑そうな表情で呟いた。
「ふふっ、ちなみに暗殺の結果は勿論リィン教官達に”返り討ち”にあって”失敗”という形で終わって首謀者は後にメンフィル帝国からの”報復”によって2度と逆らえないような反撃を受ける”盤面”まで見えていますからご安心ください♪―――それよりも、陛下達はあまり驚かれていない様子からして、先程私が口にした”盤面”もやはり想定はされていたようですわね?」
「…………―――ああ。光と闇―――”全ての種族との共存”を目指す我らメンフィルは今までも教会関連で、様々な争いや問題を経験している為、ゼムリア大陸の権力者達もそうだがゼムリア大陸唯一の宗教であった七耀教会がリィンの存在を危険視する事は既に想定済みだ。」
「教会の関係者―――特に信仰する神々や教会の教えに盲目的な者達程、性質が悪く、危険な存在であることは今までの経験でわかりきっておるからの。当然、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ