外伝〜ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン〜後篇
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…………」
「ゲルドさんと同じ未来予知…………いえ、違うわね。」
「そうね、多分ミュゼは因果―――いえ、”盤面”が見えるのでしょう?」
説得力のある今後起こりうるであろう未来を想定したミルディーヌ公女の能力にイリーナは信じられない表情をし、エクリアと共に落ち着いた様子で推測したレンはミルディーヌ公女に確認した。
「ええ、ただわたくしには”盤面”が見えるだけです。現在の局面、そこに至る過去と無数に展開し、うつ未来の局面が。―――何よりも、それを現在、動かしている”何者か”の狙いが。”盤面”を動かしているのは間違いなくオズボーン宰相。オリヴァルト殿下もそれに気づき、色々な手を打たれていますが………あと一歩、宰相の深い所までは見通せていないように思っています。―――その証拠に並行世界の未来では”黄昏”は起きてしまい…………オリヴァルト殿下達は爆殺されてしまったとの事ですから。」
「ミ、ミルディーヌ………………」
「……………………まさか貴女にそのような”異能”が備わっているなんてね………………」
意味ありげな笑みを浮かべて説明をしたミルディーヌ公女をキュアは”化物”を見るかのように恐怖も混じった表情でミルディーヌ公女を見つめ、ユーディットは重々しい様子を纏って呟いて静かな表情でミルディーヌ公女を見つめた。
「―――なるほど。本来ならば他国の皇族である俺達には決して明かすべきではない自身の能力―――つまり、”切り札”をあえてこの場で判明させた理由は自身がリィンと縁戚関係になる事でリィン―――シュバルツァー家を通してメンフィルと盟を結ぶことで我らメンフィルにミルディーヌ公女自身の能力の有用さを売り込み、自身の能力の活用と引き換えに今後メンフィルに求めたい要望を通す為と言った所か?」
「あ……………………」
「フム…………確かに今聞いたミルディーヌ公女の”異能”の有用さを考えると、どんな要望を今後余達メンフィルに出すかわからんが、余達メンフィルがその要望に応じる十分過ぎる”対価”となるじゃろうな。」
「そうね。内政や外交関係もそうだけど、戦争でも大いに役立つでしょうね、ミルディーヌ公女の”盤面”を見通す”指し手”たる”異能”は。正直言って、現時点でもレンの異能も遥かに上回っているわ。―――そしてそれは”姫将軍”であるエクリアお姉さんが持つ知識でも敵わないでしょう?」
「何度も言っているようにその呼び方は止めて頂きたいのですが…………それはともかく、”知”の能力で言えばミルディーヌ公女は最高峰クラスで私どころか、メンフィルに所属している優秀な参謀達、謀略や策略に長けているルイーネ皇妃陛下やルファディエル警視すらもミルディーヌ公女が持つ能力に対抗するには厳しいかと。」
リウイの推測を聞いたイリーナは呆
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