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人理を守れ、エミヤさん!
決着なんだよネロちゃま……!
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―」
「黙れ」
「はい」

 ネロに噛みつこうとするモードレッドの首に聖剣が添えられていた。ぴたと制止するモードレッドの満面には冷や汗が流れていた。
 そのまま穏やかにアルトリアが自分を見ているのに、ネロは頬を引き攣らせる。

「その、だな……可哀想だからやめてやったらどうだ?」
「……いいでしょう」

 す、と聖剣を下ろしたアルトリアに、ネロは一応態度の緩和を頼んでやる事にした。流石にモードレッドが哀れである。

「あのだな、とりあえず今は味方なのだ、かなーり頑張ってくれておるのだから、モードレッドにもう少し優しくしてあげても――」
「無理です」
「だよねー……」
「諦めんなよ! そこで諦めんなよ!」

 あっさり「無理か〜、まあ無理なら仕方ない」と諦めたネロにモードレッドは縋りついた。彼女は感じていた、ネロが押せば父上からの風当たりが緩くなるはずだ……! と。
 ネロはモードレッドの懇願に苦笑いを浮かべ、とりあえずもう少し粘ってみる事にした。

「えー……とだな。無理か?」
「無理です」
「そこをなんとか、な?」
「無理です」
「……シェロは、度量の広い騎士王が好きだと言っていたのだがな……」
「!」

 ぼそりと呟いたネロには、確実に士郎の影響を受けていた。口から出任せな発言に士郎は抗議するだろう。度量が狭くてダメなアルトリアもいいものだぞいい加減にしろ! と。
 しかしアルトリアはびくりと肩を揺らし、苦渋の表情で、苦虫を纏めて百匹は噛み潰したように兜の騎士へ視線を向ける。

 嘆息し、モードレッドに言った。

「モードレッド」
「お、おう!」
「おう、ではなく『はい』でしょう」
「はい!」
「……彼女に自己紹介しなさい。騎士たる者が名乗りもしないとは何事か」
「あ。――オレの名はモードレッドだ、よろしくな!」
「うむ、余はネロ・クラクディウス、よろしく頼むぞモードレッドよ」
「彼女は私の伴侶の盟友、謂わば私にとっても同盟者のようなもの。貴公も礼を示しなさい」
「なっ!?」

 モードレッドは聞き流せないアルトリアの言葉に食って掛かる。

「ちょっと待ってくれよ父上! 伴侶ってなんだよ!? まさかギネヴィア……な訳ないか。どこの馬の骨だ!」
「貴公に関係あるのか?」
「関係あるだろ!? 父上の嫡子であるオレ――」
「――貴公に、関係が、あるのか?」

 赤竜の威圧にモードレッドは口ごもった。こわひ、と。怖い、ではなく、こわひ。騎士でも王でもない類いの威圧感は未知だった。というより、騎士としても王としても、アルトリアがこのような威圧を誰かに向けた所を見た事がない。
 アルトリアは嘆息する。ネロが休んでいる内に簡潔に伝えた。

「衛宮士郎。私のマスターで
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