外伝 シンフォギアAXZ編
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「わぁっ!?」
バサリと驚きの声と共に布団を押しのけて飛び起きる。
「自分の部屋…デス…はぁ…良かった。ゆ、夢デスかぁ…またわたしの所為で何かが誤作動したかと思ったのデスよ…」
はぁ、良かったと起き上がる切歌。
八月も終わり今日から登校日。夏休みの宿題は…まぁ調とアオさんのおかげで何とかなったし、いっちょ元気に登校するのデス。
なんて気合を入れて扉を開けるといつもの様に配膳されている朝食が…
「無いデスっ!?」
あまりの事実に絶叫する切歌。
「切ちゃん…?」
その声に振り返ると黒いおさげを結わえた少女の姿が見て取れる。
「調ぇ…どうしたんデスかっ…朝食が…わたしの朝食…」
なんてのたまう切歌を注意深く見つめ返す調。
「じー…」
「どうしたデス?調…」
「本当に切ちゃん?」
「何言ってるデスか、調。わたしがわたし以外に見えるデスか?」
「そう言う訳じゃ…無いけど…」
「そんな事よりも朝ご飯デス…ミライさん…ご飯作るの忘れたデスかね…」
ミライと言う言葉に反応する調。
「あ、本当に切ちゃんだ」
「だから、なんなのデス調、さっきからちょっと変デスよ」
「変なのは切ちゃんの方、周りを見て」
「周り、デスか…?」
言われてきょろきょろと見渡すと何やら狭苦しい。
食卓も小ぢんまりとしていてまるで二人暮らしでもしているかの様。
「部屋が狭いデスっ!と言いますか、いつの間にか敷居が復活してるデスっ!?」
本来、切歌たちはミライ達と共同生活しているはずで、壁をぶち抜いてスイートに改造していたはずである。
「そう、ちょっと変なの。でもこれはきっと切ちゃんの所為」
「わたし、何かしたデスか?」
「…触っちゃだめだっていう聖遺物に触った」
「にゃはは…でも何もなくベットで目が覚めたのデスっ!」
「はぁ…まずそれが間違いだと思う」
深くため息を付くと調は携帯電話を取り出した。
「此処はわたし達の家であってもわたし達の家じゃない」
「どう言う事デス?」
「この間みんなで夏休みの旅行に行ったとき色々写真を取ったのだけど」
携帯のカメラ機能で取った画像を開いて見せた調。
「それがどうしたデスか?」
「…ないの」
「ない…?何がデス?」
「ミライさんの写真が一枚も」
「調が消してしまったと言うのは…」
「それは無い…写真は自己の証明…思い出だもの。消すなんてしない」
一枚の写真も彼女達にしてみれば楽しかった思い出だ。彼女たちの境遇からそう言った写真は大きな価値を持っていたのだろう。
ブレた写真すら消すことを戸惑うくらいに。
「
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