暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第92話:Final Weapon
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ながらディザイアに肉薄するエックス。

「うおおおおお!!!」

チャージブレードを繰り出そうとするエックスだが、ディザイアは狂気に満ちた目でエックスを睨む。

「図ニ乗ルナ!!」

突如空間が歪み、ディザイアの姿が掻き消え、エックスが振るったチャージブレードは空振りとなる。

「なっ!?何処へ…」

「沈メエエエエ!!」

ディザイアは空間をワープし、エックスの真上にいた。

エックスに向けて放たれる金色の台座のような物がエックスに直撃し、大爆発を起こす。

「ぐっ!!」

爆発をまともに喰らったエックスは吹き飛び、床に叩きつけられる。

「オ別レデス!!」

羽の端が光り、そこから光弾が発射されてダメージでまともに動けないエックスは何度も吹き飛ばされる。

「ぐっ…くそ!!な、何とか…何とか反撃を…ストックチャージショット!!」

プラズマからストックのアーツパーツに切り換え、ディザイアにストックチャージショットを放つがワープで全弾かわされる。

「死ネエエエエ!!」

ディザイアの周りを飛んでいたオプションがエックスに襲い掛かる、エックスは咄嗟にガードしたことで、何とか耐え抜いた。

しかしフォースアーマーは度重なるダメージに耐え切れず、所々に裂傷が入っている。

「くっ…このままではフォースアーマーが保たない…ディザイア……」

「ふ…ふふふ…どうですエックス隊長…少しは私の苦しみを理解出来ましたか…?」

「!?」

今までの狂ったような声とは全く違う声にエックスは顔を上げる。

狂気には満ちてはいるものの、幾分か理性のある声…どうやらエネルギーの乱用で理性を取り戻したようだ。

「あなたのせいで私がどれだけ惨めだったと思いますか…?」

「え…?」

「私はルインさんを愛していた。それこそ、彼女に私の全てを捧げても構わないくらいに…しかし彼女の目はいつもあなたを追っていた。ルインさんは私ではなくあなたを心底愛しているんですよ…無自覚でしょうが…」

「ルインが…俺を……?」

「あなたなんかには私の気持ちなど分からないでしょうね…華々しい功績を挙げてルインさんの愛を一身に受けるあなたには……」

「…………」

エックスは今、初めてディザイアというレプリロイドと相対した気がした。

今までは隊長と部下としての関わりしか持たず、剣術を教わっていた時も事務的な会話しかしなかった。

もっともっと腹を割って話せばよかった。

性格は真逆同然だが、同じ落ちこぼれ扱いを受けた者同士で互いに少しでも打ち解けようとしていればこんな結果にならずに済んだかもしれない。

エックスはやり切れない思いでブレードを握り締めた。
力が欲しい
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