第五章
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「家にいますよね」
「何処にいますか」
「それは言えないです」
チョグルティは血走った目で自分達の家の中を見回す二人に述べた。
「申し訳ありませんが」
「夫だからですか」
「それで、ですね」
「はい、口が裂けてもです」
それこそというのだ。
「言えません」
「ですか、ではです」
「我々で探します」
二人はこう言ってだ、実際に家の中を探しだした。だがチョグルティは妻が何に化けたのか知らず彼も何に化けたのかと考えていた。
その中でだ、ビョルコリトゥンはムチュノイにある場所を見て言った。
「姉さんがいたぞ」
「何処だ?」
「ここだ」
こう言って兄をある兄をある場所に案内する、チョグルティも何処で何に化けたのか気になってだった。
そこに行った、だがそこは家の倉庫の隅の堆肥置き場だった。
その堆肥置き場を見てだ、チョグルティは二人に言った。
「あの」
「ここです」
「ここに姉さんがいます」
「俺達にはわかります」
「はっきりと」
「そうですか」
そう言われてもだった、彼にはわからず。
妻は何処にいるのかと思っていたがここでだった。
二人はズボンの前を出して堆肥に対して用を足そうとした、だが。
ここでだ、堆肥が怒鳴ってきた。
「何をするのよ!」
「やはりそこか」
「そこにいたか」
「そんなのかけたら許さないわよ!」
六つ頭は堆肥から出て来て自分の兄弟達に叫んだ。
「本気で怒るわよ!」
「えっ、まさか」
チョグリティは妻が堆肥から出て来たのを見て察した。
「妻は」
「はい、こいつはいつも変なものに化けるんですよ」
ムチュノイが彼に顔を向けて話した。
「こうして」
「堆肥に化けるなんて」
「子供の頃から化けることが得意でして」
「それで、ですか」
「吐いたのに化けたり石に化けたり腐葉土だったり」
「そんなのに化けるんですか」
「ゴミに化けたこともありました」
そうしたこともあったというのだ。
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