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何に化けたか
第四章

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 扉を叩いてだ、家の中に対して叫んだ。
「六つ頭出て来い!」
「俺達が帰って来たぞ!」
「怒っている理由はわかるな!」
「仕返しに来たぞ!」
「やっぱり怒ってるよ」
 チュグルディは家の中で二人の声を聞いて妻に言った。
「それもカンカンだよ」
「ええ、絶対にそうだと思ってたわ」
 六つ頭もわかっていて言う。
「本当にね」
「全く、僕が思うにはね」
「すぐに謝れっていうのね」
「そうした方がいいよ」
「今謝っても殴られるだけよ」
 妻は兄弟のことをよくわかっている、それでこう言ったのだ。
「それこそね」
「そうなっても君が悪いことはね」
「否定出来ないっていうのね」
「やっぱりあんなことしたら」
 それこそというのだ。
「誰だって怒るよ」
「それはそうだけれど」
「僕もとりなすから謝ろう」
「だから二人に気が済むまで殴られるつもりはないの」
 それは絶対にだというのだ。
「だからね」
「ここは頭を使ってなんだ」
「今からとっておきのものに化けるから」
 そうするからだというのだ。
「口裏合わせてね」
「わかったよ、しかし」
「ばれるっていうのね」
「僕はそうなると思うけれどね」
「大丈夫よ、絶対に誰も考え着かないものに化けるから」
 六つ頭も必死だ、それで知恵を絞っているのだ。
「だからね」
「そこまで言うならね」
 夫も仕方ないとなってだった、そのうえで口裏を合わせることを約束した。こうして三つ頭はあるものに化けた。
 ここでムチュノイとビョルコリトゥンは二人で家の中に叫んだ。
「開けろ!」
「開けないとこじ開けるぞ!」
「そうするぞ!」
「それでもいいのか!」
「わかったよ」
 チョグルティは二人に応えて扉を開けた、二人は彼には温厚だった。
「ああ、ご主人ですか」
「貴方に怨みはないですから」
「貴方には何もしません」
「ご安心下さい」
「はい、それでどうかです」
 チョグルティは二人に頭を下げて言った。
「妻のことは」
「殺しはしないですから」
「そのことは安心して下さい」
「ただ、それでもです」
「許せないということです」
「それでなのですが」
「姉は何処にいますか」
 二人で周りを見回してチョグルティに問うた。
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