第2話 前座
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。グシは空の視線に気付くと、ふと思い立ったように口を開いた。
「魔法でタオルを転移させた。俺が18禁まで話を持っていくわけないだろ……」
「あ、ああ、そ、そっか。それもそうだな……って、魔法?」
空はグシの言葉に納得しかけ、だが聞き捨てならない発言に再び疑問を抱く。
即ちそれは?────
「待て、なんで喀血なしに魔法が使える!?」
?────魔法という発言だ。
グシの魔法理論は身体そのものを魔法の源、燃料として使い潰すという乱暴な代物だ。当然、こんな乱暴な理論で魔法を用いれば比喩でなく身体が溶ける。身体の不調は避けえない?────どころか、最悪死んでも全くおかしくない。
だが、その魔法を使っているにも関わらずグシに一切の不調が見られないのだ。体内精霊を燃料に魔法を使うグシの理論では、不調は避けえないにも関わらず。
そんな空の疑問に答えるように、グシはニヤッと笑って説明を始める。
「体外精霊の誘導魔法の刻印術式を作ったんだよ。
今まではいつでも魔法を使えるように、常に身体を溶かし続けてた?────つまり、蛇口を捻りっぱなしだった訳だ。当然それは燃費が悪いし無駄遣い極まりない、身体への負担も大きかった。
だがこの誘導魔法があれば、体外精霊を誘導?────操作できる。最低限の体内精霊でこの術式さえ起動すれば?、それ以降は他種族みたく普通に魔法が使えるようになるって訳だ。体外精霊?────つまり精霊回廊から精霊を誘導するやり方は、他種族の言う『精霊回廊への接続』となんら変わらないからな。
もちろん最初に誘導術式を起動するにあたって体内精霊を使用する以上、身体へのダメージはゼロではないが。せいぜいが獣人種の『血壊』未満のダメージに過ぎない、もういちいち喀血はしねぇよ」
そう、グシは自慢げにその事実を語る。
魔法の観測できない人類種の身でそれを成す事がどれほど至難か?────それを思えばあまりにささやかな自慢に、『 』すら絶句する。
「えっと……タオル、着ましたわ」
その沈黙を破ったのは、申し訳なさそうなステフの声だった。
如何に「燃費が良くなった」とは言え、それが身体を溶かす行為であるのに変わりはない。
たかがタオル一枚を寄越してもらう為に身を削らせたのだ、かなり申し訳なさそうなステフに、だが当の本人は
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