暁 〜小説投稿サイト〜
ノーゲーム・ノーライフ・ディファレンシア
第2話 前座
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
れに当たるのはステフといのだが、その両方に当たる必要は無い。どちらも『参加する動機に乏しい』という一因によってコマの所持が疑われているため、片一方のコマの所持を確認すればもう片方のコマの所持も確定するからだ。よって、敵候補を敵として確定するのにわざわざ二人の元へ行く必要は無い。確認に赴くなら1人を確認すれば十分である。
ならば、どちらの元へ確認に行くかなどもはや迷うべくもない。より動機に乏しく接敵が容易であり、さらに勝つにも苦労しない?方を選ぶに決まっている────当然、選ばれたのはステフだった。
珍しく執務室にはいなかったステフを探し(この発言から、ステフが普段どれだけ社畜にされているかが推して知れようものだ)、空達はは城内をほっつき歩く。ステフが無断で城を空けるワケもない、こうしていればさしたる時間もかからず見つかるだろう。
そんな空達の思惑通り?────ステフはすぐさま見つかった。

「あ〜〜、久しぶりにまともなお風呂ですわぁ〜……」

?────ステフは絶賛入浴中だった。

この際だから言っておくと、久しぶりのまともな入浴で思い切り羽を伸ばしているステフに気を遣おうという考えは空も白も持ち合わせていない。グシに関しては多少頭をよぎりはしたが、唯一神のゲームの方が優先度は高い。ステフの入浴を邪魔しないという選択肢は空達にはない。

しかし?────と、空は頭を抱える。
空と白は離れられない故、白だけを風呂場に行かせステフを引きずり出すことは出来ない。空が目隠しをしてしまえばよいかもしれないが、目隠ししながら風呂場を歩くなどという危険行為に及ぶ気概は空にはない。それで転んで頭を打って死んだりすれば、ゲーム以前に人生(ゲーム)が終わる。エルキア連邦の首脳の死因としてはあまりにダサすぎるだろう。
?────普通に呼べよと、そう半眼で白は訴えるが空は気付かない。普通に呼んで着替えをさせて終わったらゲームを始めればいいのに。白の考えは至極真っ当なのだが、空童貞18歳にその思考を求めるのは酷なものらしい。
結局、なんの打開策も浮かばず空はウロウロとその場を徘徊し始めた。そんな童貞の情けない姿に、白は呆れたようにため息をつき?────

「何やってんだ、さっさと入るぞ」
「「!?!?!?」」

?────グシは痺れを切らしたように、風呂場の戸に手をかけた。

「ちょ、おま、完全に不健全だろちょっと待て!?」
「ぐ、グシ、気が……狂っ、た……!?」

叫びを上げる空、静かに驚愕する白。
その声に気付いてか、ステフが慌てたように声を上げる。

「ソ、ソラ!?い、今は駄目ですわ服も何も?────あれ?タオル?」

だが、その声が突然小さくなり、そしてついに聞こえなくなる。
空はその声に違和感を覚え、グシを見やる
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ