暁 〜小説投稿サイト〜
ポケットモンスター〜翠の少年の物語〜
第三話
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 ユウキさんは軽く噛んでいた。やはり、ユウキさんも疲れているのだろうか。
 しかし……。

「オダマキ博士と言うと……ミシロタウンに居るポケモン博士でしたよね?」

 この世界にいる人の中では、少し変わった部類。未だに謎の多い生物であるポケモンの生態や特徴、起源などを調べようとする人たち。それが、ポケモン博士と言われる人達。世界的権威であるオーキド博士や、ジョウトのウツギ博士なんかがそうだ。

「ああ。あの人、フィールドワークに良く出かけてるらしくてな。ホウエンなんかは自然豊かだから、丁度いいだろうさ」
「……気に入りました?」
「おう。話に聞くより数倍いい所だ」
「そう言って頂けると、うれしいです」

そう言ってニカッと笑ったユウキさんを見て、ほっと胸を撫で下ろす。ホウエンを気に入ってくれたこともそうだけど、何より、センリさんから聞いてたより、ずっと話しやすい人だったからだ。ますます、センリさんとの関係が冷え込みすぎているのではと、部外者ながら不安になる。

「さてと……そろそろ再開するか」

 ユウキさんはそう言うと、腰掛けていた岩から立ち上がる。

「はい。早いとこ捕まえないと、日が暮れちゃいますもんね」

 僕もそれにならうように立ち上がり、お尻をぱんぱんとはたき、汚れを落とす。

 そんな時だった。










『………………す……………………て…………』









 どこからか、そんな声が聞こえてきたのは。

「………っ!?」

 僕はバッと当たりを見渡す。相変わらず、草むらの中にポケモンの気配はない。

「…………どうした?」

 いきなりそんな動きをしだした僕を、怪訝そうに見つめるユウキさん。

「いや…………何か声が聞こえた気がしたんですけど……」
「あ?俺にはなんにも聞こえないぞ?」
「……気のせいかな…………」

 否定されてしまっては、僕も引き下がるしかない。空耳なんて、良くある話で──。












『た…………すけ……………………てっ………………!』











 今回ばかりは、どうも違うらしい。
 先程よりもはっきりとした、助けを求める声。最早、疑う余地もなかった。

「っ!!」

 気が付いたら僕は、今までほぼしたことのない全力疾走を始めていた。

「お、おい、待てって!!いきなりどうしたんだよ!?」

 後ろの方から、僕を追いかけてくるユウキさんの声が聞こえてきたが、返事をしている暇はない。
 僕は、自分が走っている方向が合ってるかどうかもわからないまま、声の主を探し出そうとしていた。
 しかし、僕は信
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ