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渦巻く滄海 紅き空 【下】
二十二 忍びの闇
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と認識する。
何故なら生存しているにもかかわらず、音に帰らなかった者など大蛇丸にとっては裏切り者に他ならないからだ。

その裏切り者である右近・左近と鬼童丸をダンゾウは手土産にするつもりなのだ。






ならば、こちらも相応の手土産を頂いても構わないだろう。



ダンゾウが秘密裏に保管していた『霧の忍刀七人衆』の忍び刀を秘かに持ち出しても。
































ダンゾウを今まさに天井裏で見張っている左近が戻ってくるまでに、さっさと忍び刀を持ち出そうと考えた右近は、融合することで人質にしているダンゾウの部下の身体を使って、普段は入れない場所を秘かに歩く。

いつもは閉鎖されており、どうあっても行けなかった廊下を突き進むと、何処かで水音がした。

「なんだ…?」

自分の口寄せ動物である蜘蛛を鬼童丸が音のする方向へ向かわせる。するすると、音がする方向へ小蜘蛛が糸を出しながら向かって行く。

安全を確認して戻ってきた小さな蜘蛛を人差し指に乗せた鬼童丸は、「奇妙な水槽があるらしい」と右近を振り返った。


「あっちに何があるんだ?」
「し、知らない…あちら側にはダンゾウ様しか行けない場所だ」

人質のダンゾウの部下の答えに、右近は思案顔を浮かべる。

『霧の忍刀七人衆』の忍び刀の在り処でさえ知っていた者が知らない場所。
上手くすれば、ダンゾウの弱みをつかめるかもしれない。



そもそも、幻の忍び刀でさえ、何故ダンゾウが手に入れていたのか定かではない。
大方、自分の部下に命じて収集したのだろうが、本来ならば霧隠れの里に返さないといけない代物だ。
それを秘密裏に隠していたとなると、国際問題にもなりかねない。

よって、たとえ右近・左近と鬼童丸が忍び刀を持ち出したところで、ダンゾウは表立って忍び刀を追うわけにはいかないだろう。
更に、自分達二人は今から天地橋へ向かわされることになっているのだ。

忍び刀が無くなったことに気づいた時には、天地橋で大蛇丸と会っている頃だろう。
その時、忍び刀の紛失に気付いたところでもう遅い。


全てはナルトの読み通りに動いているが、ダンゾウの秘密が他にもあるのなら調べない手はない。
ダンゾウの部下が大声を出さないように口を押えながら、右近は鬼童丸に目配せした。


子蜘蛛の糸を辿る。
糸を辿ったその先には、水柱があった。







その中に、囚われている存在に、右近と鬼童丸の目が大きく見開かれる。


「な…どういうことだ…!?」


















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