第五章
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「それで、です」
「だからですね」
「杜家のことも知っていて」
「ご子息のこともですか」
「全てはです」
「噂に過ぎないですか」
「もっと言えば嘘です」
そうだと言うのだった。
「ですから」
「安心してですか」
「結婚されて下さい」
こういうのだった。
「非常によい方です」
「そうであればいいのですが」
「はい、ただ」
「ただとは」
「貴女にそうしたお話を吹き込んだ方は」
アルフィアンはこのことが気になってだ、娘に尋ねた。
「一体」
「それは。家族にも友達にも」
「誰からもですか」
「一切です」
聞いたことがないとだ、娘はアルフィアンに答えた。
「聞いたことがないですが」
「それでもですか」
「そう誰かから言われたのですね」
「そうです」
「成程、それは」
ここでだった、アルフィアンは。
娘を一旦家、ワン家の屋敷まで戻った。娘の家族は家出した娘を跳び出て抱き締めて戻って来たことを喜んだ、娘は家出を謝罪したがそんなことよりも戻って来てよかったと言ってそれはいいとした。随分と可愛がられ大事にされていることがアルフィアンにもブッパースウォングにもこのことからわかった。
だがアルフィアンはこの時屋敷を見てだ、そのうえでブッパースウォングに話した。
「いますね」
「そやな、娘に色々吹き込んだな」
「存在がいます」
「一杯おるな」
大きな屋敷の屋根や庭にいた、インプ等囁き人の心を惑わすことも得意なモンスター達がだ。
「どうやらあの娘の不安な心に気付いてな」
「そうしてですね」
「不安を感じてると不安を煽る奴が出て来る」
「この世の常なので」
「それでやな」
「はい、あの娘についても」
彼女の不安な心を嗅ぎ取ったモンスター達がというのだ。
「周りに来てです」
「そして囁いていた」
「何かと」
「ほなな」
「彼女の不安を取り除く為に」
「あの連中倒そうか」
「そうしましょう」
二人で話してだった、アルフィアンは弓矢を構えブッパースウォングは術を出す用意をしてそのうえでだった。
二人は娘達が屋敷に入ってからインプ達を倒した、多くの数がいたが並のモンスターなぞ彼等の敵ではなかった。
こうして娘の不安を煽る者はいなくなり娘は心に平穏を取り戻した、それからすぐに台湾から花婿が彼女を迎えに来たが。
シマリスの顔をした貴公子だった、中国の宋代の服がよく似合っている。娘は彼を見てうっとりとして言った。
「仮面もしていなくて」
「そしてですね」
「はい、とても素敵です」
こうアルフィアンに答えた、当然ブッパースウォングも一緒だ。
「素晴らしい方です」
「これは本当のお話ですが」
アルフィアンは目の前の貴公子と会ったことがある、とはいっても星の
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