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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第26話『涙を勇気に変えて〜ティッタの選んだ道』
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前回までのあらすじ〜






青年は少女の感想を受け止めて、再び歩くことを決意しました。

勇者は傭兵の生き様を見つめて、再び羽ばたくことを決意しました。

使い手は竜具の紅玉を思い出し、再び振るうことを決意しました。

原作改変。素粒子干渉。時空偏移。
それらを可能にしうる、神剣(ゼノブレイド)を求めるために。

少女は力を持たぬゆえに大切な人と歩くことできず――

傭兵は過去に縛られ、翼を広げること能わず――

竜具はかつての主の手から離れて、思い描いていた(メチタ)叶わず――

そんな二人だからこそ、せめて勇者だけでも暁に向かって歩き、羽ばたいてほしいと願います。

竜具もまた、自らの紅玉を煌めかせて、夢を思い出すよう願います。

勇者はあたしのあこがれ。

勇者はわたしの希望。

獅子王凱。あなたにはまだ守れる人も、救える人もたくさんいるのです。

弱者が弱者を虐げる醜い時代の中だからこそ、勇者の勇気はこの世界で輝くのです。

心折れし勇者に必要なことは、最初から力なんかではありませんでした。

勇気。

小さな感想は勇気の火を心に灯して。

かすかな未来は勇気の光を瞳に映して。

万民が認める勇者の光物語(ライトノベル)など、どの世界にも存在しません。

それでも??

たった一人でいい。

たった一人でかまわない。

勇者の存在を見つめてくれるなら。

勇者の定義を決めてくれるなら。

誰もが筆に迷いを抱いて生まれてきました。それでも、無駄な物語なんてなにもないはずです。

そしてとうとう勇者はおのれの過去にけじめをつけるべく、独立交易自由都市へ羽ばたいていきます。




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