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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と回想、I・アイランド編
NO.107 回想《12》 サムの狂気と出久の背負うもの
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ばせながら、

「これですよ! 私はこれが欲しかった! 取り返したんだ! 成果を!!」

一つのケースを掲げるサム。
だがこの瞬間、一気にサムの隙が出来上がっていた。
弱い個性しか持ち合わせていないデヴィットでは反抗も難しいだろう、だが、この瞬間を出久は必死に耐えていたために一瞬にしてメリッサを抱えながらデヴィットの隣へと姿を出す。

「ッ!? 君は!?」

サムは出久の顔を見た途端に表情を歪ませる。

「ミドリヤさん! それにメリッサ!」
「パパ! 大丈夫!?」
「どうしてここに!?」
「デクちゃんの友達のおかげでここまでこれたのよ!」
「デヴィット博士。先ほどの会話は聞かせてもらいました」
「それは……!! じゃあ聞いてしまっていたんだね……私の犯してしまった罪を……」

出久に、そして溺愛しているメリッサにまでこの話を聞かれてしまったために、今すぐにでも死にたい思いになるデヴィット。
そんなデヴィットの心情を察してか、

「パパ……大丈夫……。私は気にしないから……そしてやり直しましょう」
「メリッサ……」
「デヴィット博士」
「ミドリヤさん……」
「あなたが侵してしまった罪は消えないのかもしれません……。でも、それも踏まえて僕はあなたを助けます! オールマイトならきっとこう言うでしょう。『絶望の中でも笑え、そうすればきっとどうにかなる』って……。きっと、やり直せます。ですからそんな絶望したような顔をしないでください」
「ッ!!」

デヴィットはそれで出久の背中に、オールマイトの力強い背中を重ねて見た。
そしてこう思うのであった。

「(あぁ……トシ、君は本当に素晴らしい子に個性を引き継がせられたんだね。今なら分かるよ、ミドリヤさんは君の後を継ぐ人だって……)」

そう思う程に出久に心を打たれていた。

「さぁ、サムさん! ここでお縄になってください! デヴィット博士は勿論の事、サムさん、あなたもまだやり直せます! だから……」
「くっ……そんな言葉に乗りませんよ!?」
「―――そうだ。サム、それでいい……」

そこにこの場ではいてはならない人の言葉が響いてきた。
今回の事件のヴィラン達のボスであろうウォルフラムであった。
次いで出久は感じ取った。
自身に向かって高速で伸びてきている金属の塊の群れを……。

「ッ! お前は会場にいた仮面の男!?」
「お前はここでおしまいだ」

金属の塊達は出久を包囲して一気に握りつぶすように出久を金属の塊で押しつぶした。

「デクちゃーーーーーん!!?」
「ミドリヤさん!!」

メリッサとデヴィットの叫びがその場に響くのであった。



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