第三章
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「慌てて病院に行きました」
「ビエンチャンのやな」
「第二総合病院に」
この病院にというのだ。
「歩いて行きました」
「歩いてかい」
「大丈夫だろうと言われて」
「いや、それ絶対あかん」
ブッパースウォングは亀人の青年に強い声で言った。
「何があってもな」
「毒だからですか」
「しかもそれ何でここにおるか知らんけど」
こう前置きしてだ、ブッパースウォングは青年に話した。
「黄金蛇の毒や」
「ブラジルの一部にいるという」
「それや、それであいつは今第二総合病院か」
「そこにいるかと」
「わかった、ほなそっちに行くわ」
ブッパースウォングはこう言ってだった、そのうえで。
アルフィアンと共に病院に行って岩人で毒にやられた男のことを聞くとだった、若いホビットのナースが言ってきた。
「カイソーン=ボンサーリーさんですね」
「ああ、今身体が黄金に変わっていってるな」
「あの人のお知り合いですね」
「そうなるな」
こうナースに返した。
「それで見舞いに来たけど会えるか」
「今のところは」
これがナースの返事だった。
「まだ」
「毒が回ってへんか」
「はい、ただ」
「今のところやな」
「そうです、毒の回りが進めば」
その時はというのだ。
「その時は」
「そうか、ほなな」
「今からですね」
「見舞いさせてもらうわ」
「それでは」
ナースはブッパースウォングの言葉を受けてだった。
そのうえでアルフィアンと共に彼のいる部屋に行った、すると右手の肘までがだった。
岩から黄金になっていた、ブッパースウォングは男のその腕を見て言った。
「それはな」
「黄金蛇なんだな」
「ああ、まさかって思ったけどな」
「ラオスにいないんだよな」
「その筈やけどな」
それがというのだ。
「それは間違いないわ」
「そうなんだな」
「それで蛇はどうなってん」
男を噛んだその蛇はというのだ。
「それで」
「捕まえられて今は厳重に隔離されてるわ」
「それがええ、まあ蛇の話は置いておいて」
それでとだ、ブッパースウォングはあらためて言った。
「自分のその毒は何とかせんとな」
「解毒剤か解毒草か解毒の術は」
「いや、黄金蛇の毒は特別な毒でな」
「あんたが話した通りにか」
「それでや」
男にあらためて言った。
「特別な血清が必要や」
「黄金蛇の為の」
「そんなんここにあるか」
このラオスにというのだ。
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