第一章
[2]次話
黄金蛇
アッタプー=ブッパースウォングとアリー=アルフィアンはこの時ブッパースウォングの神託でラオスのビエンチャンに来ていた、ビエンチャンの賑わいを見てだった。
ブッパースウォングはアルフィアンに笑顔で話した。
「よきかなよきかなとな」
「思ってますか」
「心からな」
こう言うのだった。
「思うわ」
「やっぱりそうですか」
「街が賑わってるってことは」
「政治がええからで」
「それでや」
このことがわかるからだというのだ。
「わしもな」
「特に御坊はこのラオス担当で」
ラオス出身ということからそうなっている。
「それで余計に」
「そや」
ブッパースウォングは笑顔でアルフィアンに話した、ゾンビなので顔色は悪いが表情は実に明るい。
「満足してるわ、そして」
「ここでの神託にも」
「向かってな」
そうしてと言うのだった。
「果たすか」
「そうしますね」
「絶対にな」
「ほな私は」
アルフィアンはブッパースウォングの言葉を受けて笑顔で話した。
「御坊をお助けして」
「そしてか」
「はい、そのうえで」
「わしの神託を適える助けをしてくれるか」
「私の時も同じですので」
だからだというのだ。
「ですから」
「そうか、ほなな」
「はい、まずは神託を探しましょう」
こうブッパースウォングに言った、そしてブッパースウォングも彼の言葉に頷いてまずはビエンチャンを歩き回った。
するとだ、彼等は街の見せものであるものを見た。見ればそれは何でも食べるという芸をする者だった。
岩人の若い男がそれこそ生の蠍でも毒虫でも蛇でも噛まれ刺されて食べていた、それでだった。
その男に銭を払ってだ、ブッパースウォングは男に言った。
「いや、凄い芸やな」
「はい、私は幸いです」
「毒に強い体質か」
「岩人も噛まれますと」
そうなると、というのだ。
「やっぱり危ないですけれど」
「食べても毒にあたったりするしな」
他の種族と同じくだ。
「それはどの種族もやけどな」
「はい、ですが」
「あんたはかいな」
「幸い毒に強い体質で」
それでと言うのだった。
「噛まれても刺されても食っても」
「大丈夫でか」
「この身体で生きてます」
「平気なのを見せて芸にしてやな」
「そうです」
まさにというのだ。
「この通りです」
「それは何よりやな、けどな」
「けどなとは」
「それは普通の毒の話やな」
ブッパースウォングは冷静に述べた。
「猛毒も猛毒でな」
「とんでもなく強い毒にはですか」
「あんたの体質でもな」
毒に極めて強いそれでもというのだ。
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