第一章
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人形館の恐怖
グエン=チアン=ズーとチュット=リヴァン=ヴァンナリーの二人はこの時ズーの神託でベトナムのビンに来ていた、その街に入ってだ。
二人はすぐにベトナムの喫茶店に入った、そこではフランス風のケーキとコーヒーが出ていて二人はそれを注文してだった。
それぞれ飲んで食べはじめた、その中でだった。
ズーはチュットにこんなことを言った。
「こちらの世界では我が国にあたくし様達が来る前からあるものですけれど」
「起きた世界ではね」
「ええ、我が国はフランスの植民地だったので」
「そこからフランス文化が入って」
「それで、ですわ」
まさにと言うのだった。
「定着していますわ」
「植民地ね」
「ええ、忌まわしいことに」
「そうやね、あのことはね」
「全く以てですわね」
「私のとこもやったし」
チュットの国カンボジアでもとだ、二人でフルーツをふんだんに使ったケーキをミルクをたっぷりと入れたコーヒーを楽しみつつ述べた。
「フランスが来てね」
「植民地にしてくれましたわね」
「そやったね、けれど」
「正直フランスは弱かったというのが」
ここで笑って言うズーだった。
「あたくし様達の評価ですわ」
「あっさり破ったね」
「第二次世界大戦の後で」
「そやったね」
「その後の方が大変で」
ベトナムの歴史を見るとそうだった、独立してからがむしろ苦労の歴史であったのだ。
「そしてこちらの世界では」
「ズーちゃんが来てからね」
「色々ありましたわね」
「そやね」
「統一の戦はあっさりでしたけど」
「結構うちや棟梁さんと揉めたりして」
チュットは笑いつつズーに話した。
「ほんまにね」
「大変でしたわね、そして」
コーヒーを飲みつつだ、ズーは少し神妙な顔になった。ケーキの甘さがコーヒーの苦さですっきりしそのうえで双方を引き立て合っている。
「今は」
「このビンでズーちゃんの神託やね」
「果たしてどういった神託か」
「それが問題やね」
「まあどんな神託でも」
ズーは笑いつつ言った、その目も実に楽しそうでシルキーであるが猫人のそれの様になって輝いている。
「あたくし様にかかれば」
「乗り越えられるんやね」
「しかもチュットちゃんもいますし」
今のパートナーにも言うのだった。
「何の問題もありませんわ」
「私もおるからなんやね」
「一人よりも二人でしてよ」
ズーは笑ってこうも言った。
「だからですわ」
「それでなんやね」
「あたくし様達なら」
「どんな神託でも乗り越えられる」
「そうですわ、もっとも」
今度は悪戯っぽく笑ってだった、ズーはチュットに話した。
「若し女帝さんと雷帝さんが来られたら」
「お二人ほんま強かったし
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