第二章
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「しかしだ」
「それでもやね」
「このイロイロで今起こっている事件はな」
「そんなんでもなくて」
「別に世の中に何も不満がないな」
多少の不満があってもだ。
「普通に暮らしている」
「そんな人が急にやね」
「家族や見知らぬ人をだ」
「急に殺し合おうとする」
「相手の方もそうであったりする」
「こんな状況だ」
テレサもビールを飲みつつ述べた。
「これはな」
「幾ら何でもな」
「突発的殺人にしても」
「おかしい、これが一つならだ」
テレサはその目を鋭くさせて言った。
「おかしいと思わないが」
「何十件もあると」
「異常だ、しかも加害者はだ」
殺人を行った者達はというのだ。
「誰もがだ」
「事件の後は普通で」
「酔った気配も薬物の使用もな」
「そうしたことも」
「一切ない」
「ほんまおかしいですね」
「全く以てな、だが」
テレサはまた一杯飲んだ、そうして肴として注文していた魚料理を食べつつそうしてまたマーガレットに話した。
「原因がないか」
「それはやね」
「それはない」
原因がないということはないというのだ。
「まずは」
「そやね、本人さん達に殺意がなくて」
「それで酒や薬物もないとなると」
「術やね」
「それだ、この世界特有のな」
「その力によるな」
「そうとしかだ」
まさにというのだ。
「私は考えられない」
「私もや」
マーガレットも魚を食べつつ応えた、香辛料を使った味わいが実によくビールにもよく合っている。
「どうもな」
「そうやな、では犯人達をや」
「あらためて調べるか」
「丁度ギルドに依頼も出てるしな」
この連続殺人事件の解決をだ。
「イロイロ市警からな」
「ほなな」
「ギルドに行こう」
こう話してだった。
二人は実際にギルドに赴き依頼を受けた、そうしてそのうえですぐに身分を隠したうえで警察署に言ってだった。
警官達が立ち合う中で収容されている犯人達を一人一人調べてあることがわかった。そのことはというと。
「巧妙に隠しているが」
「並以上の冒険者でも気付かん位にな」
二人は今度は取り調べを終えて警察署の中にいた、そこで二人で警察署の中の一室でコーヒーを飲みつつ話している。
「それでもな」
「わかる者はわかる」
「うち等にはな」
「私は警察も整えた」
フィリピンを統一しその棟梁になった時からだ。
「警察官一人一人の質の向上とだ」
「組織自体もやね」
「かなりよくしたが」
「そして今は連合全体でな」
「素晴らしい組織になっているが」
「その警察ですら気付かん」
「それでもだ」
テレサは鋭い目になりマーガレットに話した、コーヒーはかなり濃く飲んでいると瞬く間に目も頭も冴えてくる。
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