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マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第73話<コンゴーさん、ありがとう>
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『コンゴーさん、ありがとう……』

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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
 EX回:第73話(改1.3)<コンゴーさん、ありがとう>
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 ブルネイの夜の街、幹線道路をひた走るトラック。誰もが押し黙っていた。

ハンドルを握る運転手さんも、ちょっと口数が少なくなっていた。それでも彼は、やはり黙って居られない性分なのだろう。

「ホントに……艦娘に、期待しますヨ」
ポツポツと話し始めた。

「あぁ」
気だるそうにブルネイ司令も応える。彼の場合、奥さんが現地の人だから他人事ではないだろう。

私は後ろの座席をチラッと見た。だが重苦しい雰囲気が伝わってくる。艦娘たちも、ほとんど黙っているようだった。

「私の家族ネ、みんな無事。親戚も、ダイジョブね」
やや不自然な笑顔を作って運転手さんが言う。

「そうか、それは良かった」
ブルネイ司令も堅苦しい笑顔を作った。ただ私は、それを聞いて正直ホッとした。

「皆ね、艦娘に期待しテルって。ムラとか河で戦うの、見てタから」
なるほど。現地の人達は野次馬根性も旺盛なんだな。

「敵モ強いケド、艦娘モ強いネ」
「まあね……」
ブルネイ司令は、ようやく自然な笑顔に戻ったようだ。

私も自然に口が開いた。
「そう、それが艦娘の艦娘たる所以(ゆえん)でもあるし」

運転手さんがケタケタと笑った。
「ちょっと大きな嵐が来たくらいね。皆、大丈夫よ」

運転台には、少し明るい空気が流れた。

(アレだけの被害を受けながら、やはり水上生活をしているだけあって、たくましいな)
私は、そう思うのだった。

 十数分経っただろうか。やがてトラックはブルネイの鎮守府ゲートをくぐった。敬礼した衛兵も「大変でしたね」という。
「水上集落襲撃の知らせは、各所へ回ったようだな」
「そうだな」

私たちは(うなづ)いた。

ゲートで手続きをした後、トラックは鎮守府本館前の駐車場で停車した。
「お待たセ!」

運転手さんが直ぐに後ろに廻って踏み台を準備する。

 私たちがトラックを降りて点呼をしていると鎮守府本館から、あの女性秘書官がやってきた。

敬礼をした彼女に、私たちも敬礼を返した。
『英語……話せますか』
『あ、ハイ。ダイジョウブです』

何となく自分が金剛になった気分だ。

「……あれ?」
そう思う私の直ぐ隣に、いつの間にか金剛が来ていた。

「どうした?」
「……」
無言で彼女は自然に私の腕をつかんだ。金剛にしては珍しい行動だったが、まだ彼女自身、不安が残るのだ
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