第五章
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「美奈代さんもおられるので」
「いや、美奈代ちゃんと二人でじゃが」
「二人でとは」
「この剣は使わんけえ」
笑顔で言うのだった、見れば剣はその刀身を突き刺さっている地面からかなり出ていた。
「そうするけえ」
「えっ、何故ですか」
「わらわはこの剣の持ち主ではないけえ」
だからだというのだ。
「この剣はサイクロプスのお爺さんのものじゃけえ」
「なおわしの名はホセ=マラドーナじゃ」
「サッカー選手みたいな名前じゃのう」
「サッカーはせんかったがな」
そこは断るのだった、老人にしても。
「しかし名は言った、剣を使ってモンスターを倒すべきじゃが」
「わらわの武器はもうあるけえ」
それでとだ、碧は両手を使い身体全体の力で剣を抜き続けつつ話した。
「だからけえ」
「よいのか」
「そうじゃけえ」
「しかし」
「いいのじゃ、わらわは自分の力で戦うのじゃ」
こう言いつつだった、剣を遂に全て抜いた。すると即座に海から老人が言った通りの巨大な鰐に似た姿のモンスターが出て来た。
全長三十メートルはあり確かに身体の至るところに禍々しい口がありそこから炎や吹雪、毒霧や雷を放っている。
そのモンスターを見てだ、碧は美奈代そして白兎に話した。
「今からじゃ」
「はい、あのモンスターをですか」
「おいら達で」
「倒すけえ」
言いつつだ、碧は刀を出した。彼女の神具三日月宗近だ。
その刀を両手に持って構えてだ、こう言うのだった。
「なら行くかのう」
「剣はですね」
「言った通りじゃ」
自分の後ろにいる美奈代にも答えた。
「ならじゃけえ」
「はい、それでは」
「倒すけえ」
「大丈夫じゃな」
老人は平然として言う碧に怪訝する顔で尋ねた。
「あのモンスターは強いが」
「わらわはもっと強い」
これが碧の返事だった。
「大丈夫じゃ」
「言い切ったのう」
「自信があるけえのう」
「そこまで言うか」
「だから安心してそこで見ているのじゃ」
こう言ってだった、そのうえで。
碧も美奈代もまずは戦闘補助の術を自分達に全て使ってだった、上陸してきたモンスターに向かった。そして二人でだった。
術を砲撃の様に浴びせ碧は刀でも切りつけた、戦いは激しく長く続いたが。
二時間程の戦闘の後でだった、碧はモンスターの眉間に三日月宗月を突き刺した、刀は深々と突き刺さり。
モンスターは遂に動きを止めた、そうしてその身体をとてつもない量の金塊に変えた。それを見てだった。
老人は碧達に驚きを隠せない顔で述べた。
「まさかのう」
「剣なしで倒すとはか」
「その剣は聖剣だったが」
「何、わらわ達はな」
ここで碧は老人に自分達の素性を笑顔で話した、老人は二人のことを知ってそれで納得して述べ
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