第一章
[2]次話
聖剣を抜かず
国木田碧と泉美奈代は碧の神託で今はアルゼンチンの南方に来ていた。その中のある街においてだった。
碧は美奈代と共に店で牛肉の塊を焼いたものにかぶりつきながら言った。
「これはいいけえ」
「牛肉の塊をそのまま召し上がられることは」
「ワイルドでじゃ」
それでと言うのだった。
「わらわの好みじゃけえ、お酒もあるけえ」
「赤ワインですね」
「お酒はどれも好きじゃけえ」
それでと言うのだった、見ればフォークもナイフも使わず二キロはある巨大なステーキ状の塊を食っている。
「それでけえ」
「満足ですか」
「今はのう」
実際に笑顔で食べている。
「お好み焼きも好きけえが」
「お肉もですね」
「特に牛の肉がじゃ」
まさにと言うのだった。
「大好きじゃけえ」
「だからこのアルゼンチンに来られて」
「こっちの世界でも牛肉多いのう」
「はい、いい牛が多く」
「だからこっちに来られて最高じゃけえ」
「あの、そう言われますが」
美奈代は肉を元気よく食い千切る噛んで飲み込みそれから大ジョッキの中にある赤ワインをガブ飲みする碧に言った。
「国木田さんは何時でも」
「碧でいいけえ」
「では碧さん」
美奈代は言い直して碧に話した。
「いつも何でもです」
「お肉だけじゃなくてじゃのう」
「はい、お好み焼きもそうで」
「大坂焼きものう」
広島生まれらしくお好み焼きはそちらだった。
「どっちもでじゃな」
「お魚もお野菜も果物は」
「わらわは好き嫌いなしじゃ」
「だからですか」
「美味しいならじゃけえ」
それこそと言うのだった。
「こうしてのう」
「美味しく沢山ですね」
「食べるけえ」
「それも豪快に」
「そうじゃ」
言いつつまた肉にかぶりつく、見ればボールに入っていたサラダも食べ終えており大きな皿の上のパスタもなくなっている。
「こうしてのう」
「左様ですか」
「起きた時の世界でもわらわは小さいが」
こちらの世界では小柄なホビットだがその中でも小柄な方だ。
「それでもじゃ」
「召し上がられる量は」
「この通りじゃけえ」
「沢山ですか」
「食べてるけえ」
「今みたいにですね」
「そうじゃけえ」
言いながら食べ続けている。
「そして動く時はのう」
「思いきりですね」
「仁義なき暴れ方じゃけえ」
「何かその辺り山本さんや井伏さんと違いますね」
ここでこうも言った美奈代だった。
「同じ広島出身の」
「ああ、あの二人か」
「碧さんにとっては同郷の」
「あの二人はわらわをいつも盛り立ててくれるのう」
「やはり同郷だからですね」
「先輩先輩と呼んでくれてじゃ」
それでと言うのだった。
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