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霊石
第四章
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「あれを売ってな」
「悪い奴等やな」
「それがどうした、俺達のことを知ったならな」
「生かしておくことはやな」
「しねえに決まってるだろ」
「そうか、ほなな」
「死んでもらうぜ」
 盗賊団の者達は短刀やら刀やら苦無を出してきた、二人の予想通りシーフや忍者といった盗賊系の職業の者達ばかりだった。
 彼等は二人を囲んで襲い掛かってきた、しかし。
 星の者達である二人の敵ではなかった、戦闘自体はだった。
 呆気なく終わった、二人は戦闘が終わるとまずは村長と神主に盗賊団のことを話し霊石も無事だと話した。
 すると二人は飛び上がらんばかりに驚いていることが貝殻越しでもわかった、その後は二人は盗賊団の連中の骸を迷路から術で出してだった。
 迷路のことは秘密にしたうえで警察に突き出した、盗賊団の者達は全員裁判の結果鋸引きとなり魂も消し去られた。
 迷路は村長と神主が守護する魔物も罠も修繕すると申し出たが二人はこのことについても積極的に手伝い。
 社は迷路も含めて完全に修繕された、村長と神主は房江達に対して心から感謝の言葉を述べて報酬も出した。
 そして二人に馳走も酒も出した、二人はそちらも楽しんだうえで村を後にしたが村を出たその時にだった。
 房江の手に何かが宿った、それは。
「新しい神具やな」
「そや」
 こう若山に答えた。
「今度も大工道具や」
「さしがねやな」
「聖徳太子のな」
 房江は心の中で自分に言って来る言葉を若山に話した。
「聖徳太子からな」
「ああ、日本の大工仕事がはじまった」
「法隆寺の建立からな」
「それで太子ご自身もさしがねを持っておられた」
「それがや」
「自分の新しい神具になって」
「大工仕事も前以上にはかどってな」
 そしてと言うのだった。
「これは武器にもなる」
「そうなんか」
「今の神具もそうやけどな」
 十兵衛源太という今の大工道具一式もというのだ。
「これも刃物になってな」
「強いか」
「そや、そやからな」
 それでと言うのだった。
「これまで以上に戦闘もな」
「出来る様になったか」
「大工仕事も出来る様になった、神具から仕事のことも教えてくれるし」
 この力もあってというのだ。
「よりよくなったわ」
「それは何よりやな」
「しかも試練を乗り越えて」
 そうしてともだ、房江は若山に話した。
「能力全体が一回り上になった」
「そうもなったか」
「ああ、ほなな」
「次のとこ行くんやな」
「そうしよな、神託も乗り越えたし」
「それで神具も得て力も強うなったし」
「あらためてな」
 世界を救う為にと言うのだった。
「前に行こうな」
「これからもな」
「うち等のやることは多いし」 
 房江は若山に笑顔で言った、そうしてだった。

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