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霊石
第二章
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「階段があるな」
「この社こんなんあるんかいな」
「あの、その階段の奥にです」
「霊石がありまして」
 村長と神主が二人にここでも話した。
「中は迷路になっていて」
「罠や番をする魔物に護らせています」
「私共は魔物に襲われないお札を知っていて迷路の地図も持っていて通れますが」
「迂闊に入ると危険です」
「また迷路のことは私達しか知りません」
「村の中でも」
「そやねんな、何かな」
 ここでだ、房江は。
 社の壊れている状況を見てだ、しかも。
 階段の一段一段に埃が積もっていてしかもその埃に新しい靴跡があるのを見てそれでこう言ったのだった。
「誰か入ってるで」
「えっ、誰が」
「誰が入ったのでしょうか」
「それはわからんし今わかったけど」
 今度は社を見回して言うのだった。
「この社中かわ壊した感じやし」
「ではですか」
「霊石を狙ってですか」
「そしてですか」
「社も中に入った時に壊しましたか」
「そやろな、ほな」
 それならとだ、房江はその目を鋭くさせた。グレムリンの切れ長のその目が鋭いものになり光もそうなっている。
「ここはな」
「霊石を奪いに来て社を壊した不届き者を」
「成敗することがですか」
「それで霊石を守らんとな」
 それは絶対にと言うのだった。
「あかんやろ」
「そうですか、ですが」
「このことは」
 村長も神主もだった、房江そして若山に怪訝な顔で言うのだった。
「この迷路自体が村でも知っている者は僅かです」
「我々二人だけです」
「お二人にも口外して欲しくないですし」
「中に入ることは」
「そこで口封じとは言わへんねんな」
「そんなことはしません」
「そんな怖いことは」
 口封じとだ、房江が笑顔で言うとだった。村長も神主も震え上がってそのうえで房江に対して答えた。
「絶対にしません」
「お金を積んだり秘かに始末して埋めるとか」
「お二人共善人やな」
「善人かどうかはともかく」
「悪いことは」
 二人は房江に震え上がったまま答えた。
「多少ならともかく」
「そこまでは」
「そやねんな、とにかくな」
 あらためてだ、房江はここでだった。
 若山と共に自分達のことを名乗った、それで言うのだった。
「そやからな」
「おお、星の方々でしたか」
「左様でしたか」
「迷路のことも言わんし」
「誰にも」
「口外されないですか」
「それに霊石を奪う様な悪い奴は放っておけん」
 房江はその星の者として言い切った。
「そやからな」
「この度はですか」
「迷路に入られて」
「賊を成敗するわ」
「わしも行くで」 
 若山も言ってきた。
「それでええな」
「よし、二人でな」
「では私達もです」
「同行致しましょうか」 
 村
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