第二章
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「儲けてるとか」
「それだね」
「そうかな」
「それじゃあ」
志賀は石川のその話を聞いて言った。
「すぐにでも」
「この街の大蒜の購入ルートをね」
「調べようか」
「そうしよう、しかしこのお塩は」
石川は鯖の塩焼きを食べつつこうも言った。
「随分といいね」
「うん、いいお塩だね」
志賀も石川のその言葉に同意して頷いた。
「流石赤穂の塩だね」
「そうだね、大蒜もいいけれど」
「赤穂といえばね」
「お塩だね」
「本当にね」
こうしたことも話した、やはり赤穂の塩はいいと。そうした話もしながら食堂で美味しいものを食べてだった。
二人は赤穂の大蒜の入手ルートを調べた、するとだった。
石川は志賀に街を歩いて街の至るところにある大蒜を見つつ話した。
「凄いね」
「うん、大蒜を売っているのは」
「地元のお金持ちだけれど」
赤穂のだ。
「今度市長選挙に出る」
「そしてその資金獲得にね」
「大蒜を売っている」
「大蒜畑を多く持っていてね」
「家の大蒜を売って」
そうしてというのだ。
「利益を得ている」
「そういうことだね」
「魔物が出たとデマを流して」
「もう一つデマを流して」
そのデマがというのだ。
「魔物に大蒜が効くという」
「考えたものだよ、悪知恵を」
「本当にね、まあ犯罪ではね」
「ないね」
法律には触れないというのだ。
「選挙資金獲得に大蒜を売れる様にすることは」
「それがデマを流すことでも」
「犯罪かというと」
「そうじゃない」
「けれど」
それでもとだ、石川は志賀にどうかという声で話した。
「これはね」
「放っておけないね」
「一度お金持ちに言っておくか」
「そんなことをするなとね」
悪事は悪事だからだ、それでだった。
二人は今度はその金持ち、山田彦太郎のところに行った、山田は狼人の老人だった。
二人は身分を明かして山田の家の者に屋敷の中を案内させてだった、そうして山田本人に会い二人の読みを話した。
そうしてだ、石川は山田を見据えて彼に問うた。
「その通りだね」
「くっ、よくそのことが」
「簡単な推理だよ、どうして大蒜がこんなに溢れて」
「誰が売っているか」
「それを考えたらね」
それはと言うのだ。
「ここに行きつくよ」
「わしが大蒜畑を持っているから」
「そうだよ、ではね」
「いや、わしが市長選に出て」
山田は石川にこう反論した。
「大蒜で儲けて資金を得ようとしているのは事実ですが」
「ですが?」
「わしはデマを流すことはしません」
「というと」
「はい、実はわしは見たのです」
真剣な顔でだ、山田は石川と志賀に話した。
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