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徒然草
76部分:七十六.世の覚え

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七十六.世の覚え

七十六.世の覚え
 世間において貴く偉い立場であるということになっていましたその世の中の流れにも上手に乗っている人のお屋敷にお葬式やそういったものではなく純粋に有り難い御祝いするべき事柄がありまして大勢の人が出入りしている中に僧侶の人や神主の人が玄関の扉を叩いていますのはこれはやり過ぎであると思います。
 例えどういった理由があるにしても僧侶や神主といった人は孤独であるべきなのです。しかしこれをわかっている人がいないのもまた世の中というものであります。僧侶や神主といった立場の人達がどうして有り難いものであるのかといいますと浮世離れしていてそこに徳を持っているからであります。それがわかっていないでいてどうして僧侶であり神主であるということができるのでしょうか。何もわかっていないと述べるしかありません。穏やかにかつ静かに。浮世からは何処か距離を置いてそのうえで人に接するべきなのであります。そうした場所に出入りするのも悪いことではありませんがそれでもそこまですることはないのです。わかっていてもわかっていなくてもというわけでもありません。yあはりわかっていなければならないものなのです。本当にそうしたことはよく踏まえていなければなりません。とはいっても踏まえていてくれている人が非常に少ないのもこれまた現実であります。嘆かわしいことであります。


世の覚え   完


                 2009・7・25

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