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店の前で並んで
第一章

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               店の前で並んで
「お前が悪いに決まってるだろ」
「何でそう言えるのよ」
「だってお前が遅刻したんだろ」
「それで私が悪いって言うの」
「そうだよ、お前が遅刻したせいでな」
「それが響いてっていうのね」
「電車にも遅れてな」
「電車が遅れて」
「店も混んでな」
「もっと早く行けば空いていて」
「こうして並ばずに済んでいたんだろ」
「仕方ないでしょ、私だってね」
「遅れた理由があったのかよ」
「そうよ、お家は五分前に出たわよ」
「待ち合わせ時間に着く五分前にか」
「着く様に出たけれど」
「それが何で遅れたんだよ」
「途中の道が急な工事ばかりで」
「それでかよ」
「回り道が続いてね」
「それで遅れたのか」
「そうよ、私のせいじゃないわよ」
「そうかよ、しかしな」
「私が遅れたせいでっていうのね」
「今こうして並んでるからな」
「そう言うのね、けれどあんただってね」
「俺もかよ」
「この前待ち合わせに遅れたでしょ」
「仕方ないだろ、妹を車で送ってな」
「そのせいで遅れたっていうのね」
「妹が急な病気になったんだよ」
「それ本当よね」
「じゃあ妹に聞けよ、お前とも仲いいだろ」
「そこまでしないわよ、あんたがそう言う時って嘘言ってないから」
「じゃあ納得したな」
「そのことはね、ただね」
「ただかよ」
「私も今回遅れたのは理由があってよ」
「お前のせいじゃないそれがか」
「そう、その時のあんたと同じでね」
「だから責めるなって言うんだな」
「こうしたことは誰にもあるでしょ」
「まあな、しかしな」
「しかし?今度は何よ」
「いや、この店味どうなんだろうな」
「どうってあんたが調べてここにしようって言ったんでしょ」
「そうだけれどネットだからな」
「実際には入ったことないの」
「ああ、だから並んで待って若しまずかったらな」
「もう最悪っていうのね」
「そうならないよな」
「ネットでは評判いいのよね」
「ぐる何とかでもホット何とかでもな」
「じゃあ安心していいでしょ、待ってね」
「そうしてか」
「食べたらいいじゃない、それで美味かったら」
「待った介があったか」
「そういうことでね」
「今は待てばいいか」
「期待してね」
「期待すればいいんだな」
「まずいならそれなりのこと書かれるでしょ」
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