暁 〜小説投稿サイト〜
【一発ネタ】ゴブリンスレイヤー廃業す
最終話「ゴブリンが静止する日」
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はいいけどこれ本当にいいのかな……?」

 原理としては極めて単純な手である。この世界に元からあるアイテムとして誤魔化すことが可能という点で有用で、将来的にも有用であるのは間違いない。しかしこの一手が成功するのであれば、下手をするとゴブスレ世界がゴブスレ世界でなくなってしまう。

 しかしわが身が可愛いアタシなので、ゴブリンに使う。
 うん、全部滅茶苦茶になる訳じゃないし神々もギリ納得してくれるはず。

 アタシは意を決し、ゴブリンの巣穴に向かった。奇襲が怖いので安物ではあるが全身鎧でがっちり固め、装備品も原作を参考にゴブ狩りセットを揃えている。当然ながら女の匂いを嗅ぎつけたゴブリン共が凄いスピードでゴブゴブ迫ってくる。

 外れても予備はあるができれば当たってほしい。アイテムの性質上、直線状にたくさん敵が来れば失敗率はかなり低くなるので群れで来てくれたのはありがたかった。

「食らえ必殺の投擲をぉー!!」
「GOBU!?」

 アタシのそれほど強い訳ではない腕力によって振り抜かれた投擲物――巻物は、巻物とは思えない程の猛スピードで飛来してゴブリンの顔面に命中した。

 そして――『その場にいたすべてのゴブリンが、ゆっくりと砂のように消えていった』。

「……いや、まだ成功したかわかんない」

 アタシはゴブリンの巣に突入した。
 中にゴブリンは見当たらない。念のため隙間なども念入りに探すが、最深部に行っても見当たらない。隅々探すと孕み袋にされてた女性が何人か息のある状態で見つかったが、一人で抱えきれないのでその場で悩み、そしてここでもアイテムを使う。

「これ読んで」
「スクロール……?えっと、『困ったときの巻物』――はっ!?ゴブリンに折られた手が!汚された体が!?体力まで回復してる!?」
「よし、これで歩けるね!」
「こ、こ、このスクロールものすごい貴重品だったのでは!?」
「こんなものを私たちの為に人数分使ってしまうなんて……!」
「気にしない気にしない。人命救助が最優先だよ?」
 
 慌てる女性たちを宥めて教会に任せ、あたしはその後数日間ゴブリン依頼が張り出されないかギルドのクエストボードを定期的に見つめた。しかし、張り出されることはなかった。ちなみにアタシは冒険者登録しているが、件のゴブリン討伐に関してはクエスト受諾をしていない。足がつくのが嫌だし、「条件に引っかかる」可能性があったからだ。
 三日もすると冒険者やギルドの人が不思議そうに「最近ホブゴブリンばっかりでゴブリンが出ない」と語り、そして1週間後には「ゴブリンがどこにもいない!」と捜索部隊が結成されるに至り、そして一月後には「小型のゴブリンが一切いなくなった!?」と王都で騒がれるようになった。この段階に至ってやっと、アタシは自分
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