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徒然草
31部分:三十一.雪の

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三十一.雪の

三十一.雪の
 雪がとても心地よく降った朝のことです。少し人様に用事がありまして手紙を書きました。手短に済ませて雪のことなぞは書かないでそのうえで送りますと返信にこうありました。雪が降って貴方はどう思われていますか、といった位のことは書いて欲しかった。気の利いたことも書けないつまらない人の用事なぞ聞きたくもないから、それは本当に最低なことですとありました。それを読んで心に熱くこみ上げるものがありました。
 これはもう昔のお話でありましてこの手紙のやり取りをした人は今はもうこの世にはおられません。先日に旅立たれてしまわれました。今となっては亡くなってしまった人のこんなことさえ忘れられません。懐かしくもあり寂しく悲しくもある思い出であります。雪を見ると今はあの人のことも思い出してしまいます。懐かしい気持ちと寂しい気持ちが胸に起こって。その都度ふと目に何かが宿ってしまいます。今この文を書いている時もまた同じです。思い出すことが悲しいとついつい立ち止まってしまいます。あの雪のことはもう遠い昔のようであります。あの時ああ返信を頂いたことが懐かしくもあり悲しくもあり。そうした色々な思いが胸の中に残っています。残っているこの思いは何かあるとまた浮かび上がってくるものですから。それが余計に心を巡らせてしまいます。


雪の   完


                 2009・5・17

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