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徒然草
3部分:三.万に

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三.万に

三.万に
 人間というもの、特に男というもので不思議なことが一つあります。
 それが何かといいますとどんなことでも要領よくこなせる人だとしても女の人のことを考えたりお世辞にもいいとはいえないようなことを考えたりしない人というのは穴があいて壊れてしまった玉の様なものでありましてどうにも味気のないものであります。生真面目に何でもして女のことなぞ一切考えないようにしろ、よくこんなことを言う人がいますがそれを実際にやってみると難しいとかそれ以前に非常に面白くないものなのであります、
 明け方に水滴を身にまといそのうえでよろよろと千鳥足で如何にも挙動不審にあるいたりして親御さんん(言うことを聞かず近所の方々に馬鹿にされていてもどうして自分が馬鹿にされているのかわからないでどうしようもないことをあれこれ妄想ばかりしているうえに何故だか間が悪く女の人のことばかり考えて寝付けなくなって一人寂しくその寝付けない夜を過ごすというのもよくはありませんが得体の知れない楽しさがあるのではないでしょうか。
 とはいってもがむしゃらに恋に溺れるのではなくて女性の方からは節操のないように思われないようにすることが重要であります。男というのも何かと大変なものであります。男だけに限ったことではないのかも知れませんが。


万に   完


                 2009・4・18

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