28部分:二十八.諒闇の
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二十八.諒闇の
二十八.諒闇の
帝がその御父上、御母上の喪に服される諒闇の年位北風の如く寂しい気持ちがすることはないのではないでしょうか。
その時に篭もる建物の様子は床板を下げて足で作った簾を垂らしその上に貧しいつくりの布を被せて家具等もごく適当なもので済ませてそこにいる人達の着ているものも刀もその刀に着ける飾り等もいつもと違うのは実に物々しく感じられます。
そうした年を見るのはやはり何かが違います。帝の親御様がその身をお隠しになられる、このことはただお隠れになられたのではなく物々しさもありそして寂しさもあります。この寂しさを見る度にいたたまれなくもなり。こちらの気持ちも沈んでしまいます。しかし喪に服すというのは人として当然の務めであります。そして人は必ず死ぬものでありますから。だからどうしても避けられないものであります。帝がこの務めを果たされることもそしてそれを見るというのも。全てはこの世にある理でもあります。そのことを今も思う次第であります。帝の貴さは言うまでもないことです。そのこの上なく貴い方がそのように喪に服される、このことは確かに非常に大きなことであります。しかしだからこそそこに寂しさを感じてしまう。どうしても感じずにはいられない、そのことを書き残さずにもいられないのであります。
諒闇の 完
2009・5・14
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