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徒然草
244部分:跋文

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跋文

                     跋文
 この徒然草二つの帖ですが吉田兼好先生が毎日に暇があるとつれづれなるままに人生の黄昏に向かいながらその御心に浮かんだ思いを書き写したものであります。近頃堺にいる儒学者の三宅寄斎殿が御自身の座っておられる椅子においてその脚を伸ばしながら老子の空しさを話し荘子の自然を人に説明し暇な日には二人か三人のお弟子さんに対してこの徒然草の講義を行いました。それに留まらず後にはこの徒然草を書き写してそれを印刷させてそれからその二人か三人の弟子に見せてあげましおた。その際に句読点や清音、濁音といったことの校正も行ったのであります。その経緯を何となく気に入ってしまいまして自分が未熟なことも忘れて自分でも校訂を入れただけであります。またこの底本にやり残しがないのかどうか今はそれが気掛かりであります。
 そうした次第であります。ですがこれでこの徒然草も終わりであります。長きに渡りましたが終わってみるとこれだけ心地よいものはありません。
 終わりよければ全てよし、といいますがそこに至るまでの長さも考えますとやはり終わりがあってこそであります。何事もそうですがこのこともです。今ここでこの話を終えることにいたします。


跋文   完


                2010・1・13

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