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徒然草
223部分:二百二十三.鶴の大臣殿

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二百二十三.鶴の大臣殿

                二百二十三.鶴の大臣殿
 鶴の大臣殿と呼ばれている九条基家殿ですが何故その様に鶴の大臣殿と呼ばれているかといいますと幼い頃に鶴殿と呼ばれていたからであるます。大臣殿が鶴を飼っていたからそれで鶴の大臣殿という仇名になったという話は間違いであります。どちらが真実なのであります。
 仇名一つ取ってもこうした事情があります。大臣殿の幼い頃の仇名も関係していたというのは中々気付かないものでありますが知ってみると成程と思うものであります。仇名は軽いものであり戯れと言ってもいいものであります。しかしそこにあるものはこうしたように中々面白いものがあるのです。大臣殿の生い立ちもそこから感じることも可能であります。そうした中々深いものでありますので間違って覚えてしまうとそれだけで損をしてしまうものがあります。ですから仇名と馬鹿にできるものでもありません。そこにあるものを確かに知って深く理解することが大事なのです。そうすれば見えなかったものが見えてくるようになります。仇名からもそうしたことがわかってしまうものなのです。挙句には人そのものさえ見られてしまうかも知れません。それを考えますと決しておろそかにせず真面目に考えてみるのもいいでしょう。たかが仇名ですがされど仇名です。


鶴の大臣殿   完


               2009・12・23

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