第一話 クロスボーンガンダム
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「あっ。そっか、ごめん。
確かアースノイドってスペースノイドと名前の呼び方が違うんだっけ?」
「そうですね。地球の日本では俺の名前は天音 光汰って表記されますけど宇宙だとそこら辺の概念に相違が有るんですよね?」
「そうそう。基本的に同じ人間だから大きな際は無いけど、それでも若干の際は有るの」
地球と宇宙では生き方も過ごし方も違う。育ってきた空間が違えば当然の事だ。こればっかりは仕方ない。
「でも、なんで俺がアースノイド…それも新卒採用だって…?」
もしかして新卒採用の社員の制服は他の社員と見分けが付くように色が違うとか?
それなら納得できるが…俺の着ている制服と彼女の着ている制服の色は同じ灰色。という事は、制服の色で識別しているという事は無さそうだ。いや、彼女も新卒採用の社員なら話は別だが、あの軽快な動きはここの空間を完璧に把握している様子だった。なら、新卒採用って線も無いだろう。
じゃあ、ネームプレート?
制服と同時に支給されたネームプレート、このネームプレートに何らかの識別方法が…。
「さっきからどうしたの?」
ひょこっと間近まで迫っていたリリアさん。
近い近い。少し離れてくれ…。
「えっと…なんで、俺がアースノイドで新卒採用だと分かったんですか?」
恐らく、このまま考えても結論は出なさそうだから真相を知る本人に問うことにした。
「なんで、と言われたら…そうだね。
口調とか動きとか?」
「え?」
口調と動き?
「鈍りって言えばいいのかな。スペースノイド特有の口調じゃない。
それと宇宙慣れしてなさそうだから、」
スペースノイド特有の思考。
な、なるほど。スペースノイドである彼女から見たら俺は地の上の魚に打ち上げられた魚にでも見えたのだろう。それなら納得いくが、なんで新卒採用だと分かったんだ?
「あと新卒採用リストに一人だけアースノイドって表記されてたから、」
………。
なるほど、そういう事か。
となると今回、アースノイドでの新卒採用は俺だけ、という事か。
「珍しいですかね…アースノイドの新卒採用って、」
「珍しい。と言えば珍しいかな。
何年か前にアースノイドの人を中途採用したって話は聞いたことあるけど新卒採用は今回が初めてだって社長が言ってた」
「そうなんですか…」
という事は、この会社の大半の社員はスペースノイドという事なのだが、それは入社前から事前に調べていたので驚きはしない。だが、そこまで珍しい分類に入っているとは思いもしなかったので少し驚いた。
「色々と噂は聞いてるよ。
何でもうちの社長に一泡吹かせたそうだね」
「え、一泡吹かせた?」
「細かい事は知らないけど皆、君の事を歓迎しているからこれからよろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願い
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