2部分:二.いにしへの
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二.いにしへの
二.いにしへの
昔の時代、また本当の意味で尊く立派な方がおられた時代の政治のあり方を忘れてしまいその他大勢の一般民衆が困っていて嘆いていることもこの国で内乱が起こりそうなことも気付かずにいて何もかもに対してとても華美なものを用意してふんぞり返って偉いと思いつつこの場所は狭くて窮屈なものだというような態度をしている人がおられます。こういう人を見ると極端な意見だとは思うのですが吐き気を催すし自分のことしか考えていない嫌な人間だと感じてしまうものであります。
先にお亡くなりになられた九条の右大臣の残された御言葉ですが衣や冠はおろか馬、そして車に至るまで全てそこにある間に合わせのもので済ませるべきであり華麗なもの、細かく言えば派手なものや新しいものを欲しがってはならないという御言葉、これは実に素晴らしい遺言でありました。そして順徳帝が宮中のことに関して書き残された禁秘抄という書にあるのですが皇室や宮中の奉りものなぞはその辺りの適当なもの、質素なものでよい、これもまた実にいい御言葉です。
こうしたことをいつも心に入れて華美なことや贅沢を戒めていきたいものです。世の中というものはそれがどうしてもわかっていない方が多いものですが。帝や右大臣の様な方もそうだったのですから。贅沢なぞして何になるというのでしょうか。私にはそれがわかりません。
いにしへの 完
2009・4・17
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