替え玉狂騒曲 (舞台用シナリオ)
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仕組んだことで
俺は彼女に従っただけなんだよ。」
まり子 「どうやらこの家は、私がいなくても平気みたいね。」
山内 「そんなことない。お前はこの家の要なんだ。お前なしでは回らないよ。」
裕次郎 「何をいう。お、お前はこの家の要なんだ。お前なしでは回っていかないよ。」
山内 「お前にはホントに苦労をかけていると思う。」
裕次郎 「お前には本当に苦労をかけていると思う。」
羊子 「お前をないがしろにして、すまなかった。」
裕次郎 「お前をないがしろにして、すまなかったな。」
まり子 「今日のあなた、やけにぺらぺらしゃべるわねぇ。
いつも、あーとかうんしか言わないのに。」
山内 「今日のようなことがあって、俺も心から反省したんだ。」
電波が途絶え、焦る裕次郎
耳元を押さえながら
裕次郎 「今日のようなことがあって、ああ……、うーん、
なんだ。なんというか……」
山内 「あ、しまった! 電池が切れた!」
まり子 「うん? 今、あっちから声がしなかった?」
裕次郎 「いや、ああ……、あっ!」
裕次郎の耳からイヤホンが落ちる
慌てて拾うが、
それを見てカラクリに気づくまり子
立ち上がり、キッチンへ向かう
山内と羊子の姿を見つけ、がっかりする、まり子
まり子 「なんだ、そういうこと。どおりでペラペラしゃべると思ったら。」
山内と羊子、バツが悪そうに立ち上がり
キッチンを出て行く
廊下ではリビングの声に聞き耳をたてる
明、美智子、ももこ、あんず、拓哉
まり子 「あなたって人は、なんでこんな小細工しないと
私と話しができないの?
口下手なのはわかってたけど、こんなのありえない。
私との話し方も忘れちゃった?
台本がなければ、私と雑談もできないっていうの?
そうよ、あなたには雑談力ってものが、まるっきりないのよね。
今日こんなことがあったとか、
こんなもの見かけたとか、その時どう感じたとか。
あなたから、そういう話、聞いたことないわ。
私や家族にいつも無関心だから、周りの事にも鈍感になるのよ。
そんなあなたに、人の心を打つ芝居なんて、できるわけないでしょ。」
裕次郎 「わかってるさ。俺に役者は向いてない。」
まり子 「ははっ、開く直るんだ。
あなたは、役者としても最低だけど、親とし
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