第一章
[2]次話
悪龍退治
その話を聞いて天界の天帝は歯噛みした、そのうえで天帝にこのことを話した四海龍王達今は人の姿で見事なそれぞれの色の礼装でいる彼等に問うた。
「ではお主達でもか」
「はい、どうしてもです」
「北平の悪龍は言うことを聞きませぬ」
「ですからここはです」
「我等のうち一人が行ってでも」
「確かにお主達の一人が行けば龍は倒せる」
天帝はそれぞれの海を治める龍王達の力をよく知っている、それで言うのだった。
「楽にな、しかしな」
「我等が兵を向けてはなりませんか」
「それぞれの海を守る為」
「だからですか」
「我等の出陣はなりませぬか」
「ならぬ、だから別の者をつかわす」
こう言って己に地上の北平という地で好き勝手をして暴れ回りそこにいる人々を困らせている悪龍退治には行かせなかった、だがそれでもその悪龍をどうにかしなければならないことは事実であり。
天帝は決断に迫られていた、そしてその決断を下した。彼は??三太子一見可愛らしい童子の姿をして金色の具足を身に着けて槍を手にしている彼を呼んだ。すると??は天帝の前にすぐに参上し畏まって述べた。
「中檀元帥参上しました」
「よく来てくれた」
「してこの度は」
「北平に悪龍がいて暴れていてな」
「民達を苦しめていますか」
「うむ、四海龍王達が出陣を申し出たが」
天帝は太子に彼等のことも話した。
「しかしな」
「それぞれの海の守りがあるので」
「それは止めた、それでだ」
「私がですね」
「北平に行ってだ」
そのうえでというのだ。
「悪龍を防いで以後あの地をな」
「悪龍から守る」
「そうしてくれるか」
「わかりました」
太子は天帝に子供そのものの明るく淀みのない声で答えた。
「それでは今よりです」
「うむ、北平に降り立ちな」
「悪龍を退治し」
「そしてだな」
「以後北平の地を守ります」
「その地の民達を安んじてくれるな」
「そうさせて頂きます」
太子は黄と青、赤、黒、白の五色で彩られ金と銀様々な宝玉で眩いばかりになっている天帝の宮殿の中で天帝に応えた、そうしてだった。
すぐに北平の地に降り立った、そのうえですぐにそこにある川に向かって叫んだ。
「おい、この地にいる悪龍はこの川にいるな」
「悪龍だと」
「そうだ、悪いことばかりしている龍だ」
川の中から聞こえてきた声に対して答えた。
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