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渦巻く滄海 紅き空 【下】
二十一 タイムリミット
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いている。
顔を引き攣らせて、荒い息を吐いている男の肩。


其処には、顔が生えていた。







「妙な真似をしないほうが身の為だぜ?」
「き、貴様…!?」


ダンゾウの部下である【根】の男の肉体に入り込んだ右近は、顔だけを男の肩から覗かせながら念を押す。


「下手な行動は命取りだぜ?何故なら、今、俺とお前は肉体を共有しているんだからな」






チャクラが流れる経絡系は内臓の各機関に深く絡み合っている。
経絡系とは、各機関を造り出している組織にも、そして組織を造り出している細胞にも、更に細胞の主成分であるたんぱく質にまで複雑多様に絡み合って連結している。
チャクラでこれらの細胞やたんぱく質の分解再構成が自由に出来る右近は、己の身体を粉々にして敵の体内へ入り込み、また元に戻して外に出る事が出来るのだ。


要するに、普段、左近と右近がそれぞれ身体を共有している状態を意味する【双魔の攻】が彼ら二人の血継限界である。
だが『根』の創始者であるダンゾウを始め、『根』に所属する者は皆、右近・左近の血継限界を知らない。
更に言うならば、右近の存在も知らないのだ。

弟の左近が一人だと見せかけ、身体の中で眠りについている右近の存在を『根』の気づかれないように徹底して心掛けていたのである。
それと言うのも、今までダンゾウに利用されないが為に、あえてひた隠しにしていたのだ。




かつて、うちはサスケを里抜けさせ、大蛇丸の許へ連れ出そうと見せかけ、その実、大蛇丸から逃れ、自由の身となる計画を企てていた『音の五人衆』。
その際、次郎坊・君麻呂・多由也は死を偽造出来たが、鬼童丸と右近・左近は『根』に生け捕りにされたのである。

大蛇丸の部下だった『音の五人衆』を捕縛しても、彼らの身の安全を保障するよう、ナルトが水面下でダンゾウと取り引きしていたので、実験体にされずに済んだものの、『根』では常に監視されていた。


だから、ダンゾウがいない今がチャンス。




「『霧の忍刀七人衆』の忍刀の在り処を教えろ」
「な、何故、それを…!?」

身体を右近によって融合され、恐怖に怯える『根』の一員の男が驚愕する。その情報は、火影でさえも知らず、ダンゾウが秘密裏にしていた内容だ。


霧隠れが唯一所有する双刀『ヒラメカレイ』、そして鮫肌と首切り包丁を除いた───『霧の忍刀七人衆』の忍刀。
それを、『根』の創始者であるダンゾウが保管している事は、『根』の部下の中でも一部しか知り得ない情報である。



(水月の話通りだな)

男の表情から察するに、やはりこの場に『霧の忍刀七人衆』の忍刀はあるのだろう。



ダンゾウにこき使われている最中に
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