182部分:百八十二.四条大納言隆親卿
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百八十二.四条大納言隆親卿
百八十二.四条大納言隆親卿
四条の大納言であられた藤原隆親卿が鮭とばというものを帝の食卓に出したことがあります。周りにはこうした得体の知れないものを帝に召し上がってもらうつもりなのかと言う者もいましたが大納言殿はそうした言葉に対して鮭という魚を差し上げてはならないのであれば問題ではありますがその鮭を乾燥させて何が悪いのか。鮎も天日干しにしてそのうえで差し上げるではないかと反論したそうです。
これもなかなか面白い話です。確かに言われてみればその通りです。帝が鮭を召し上がられるべきではないなどといったことは聞いたことがありません。また鮎を干すのも鮭を干すのも結局は同じことであります。それを考えますと大納言殿の言ったことは妥当であります。帝に鮭を干したものを差し出してもそれで構うことはないのです。ですからこれは一向に構わないということになります。むしろ帝にこうした面白いものを差し出して召し上がって頂くということはいいことであると思います。それに対して言い掛かりをつける方がおかしいです。鮭は美味な魚であります。そして下品な魚ではありません。それならば帝が召し上がられても何の問題もありません。大納言殿はそこまでわかっておられたのでしょう。わかっている人はわかっているのです。
四条大納言隆親卿 完
2009・11・12
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