第83話
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〜ブリオニア島〜
「こ、ここってさっきまで祭壇があった場所だよね?」
「ああ…………間違いないはずだ。」
「どうやら地形そのものが変化したみたいですね…………」
「うん、そしてその地形を変化させる為の仕掛けがさっきの紋章を全てペンダントに秘められている魔力と共鳴させる事だったのでしょうね。」
驚いた様子で建物を見つめるユウナの言葉にクルトは頷き、ミュゼとゲルドはそれぞれ何もなかった場所に突如建物が現れた理由を推測していた。
「…………教官。これは。」
「…………ああ。どことなく”精霊窟”に似ているな。」
「ええ…………もしかしたら、この建物も”精霊窟”かもしれませんわね。」
「せ、精霊窟…………?」
リィン達の会話内容が気になったユウナは困惑の表情でリィン達に訊ねた。
「内戦時に現れていた暗黒時代の建造物だ。例の”地精”が建造したと言われている。」
「内戦後には一通り姿を消してしまったとの事ですが…………」
「どうしてそんなものが…………」
「…………ハッ、事情は知らねぇがアタリなんじゃねえか?」
リィンとセレーネの説明を聞いたクルトが表情を引き締めている中何かを見つけたアッシュは見つけた物に近づいて拾った。
「それは…………!」
「ミリアムさんのポーチ…………!?」
アッシュが拾った物にアルティナと共に驚いたリィンがアッシュに手渡されたポーチを見つめていると何かに気づいたユウナが足元に落ちている物を拾ってリィン達に報告した。
「教官、これ………!」
「っ…………!」
「確かそれは旧Z組の皆さんが持っていた学生手帳…………それに最後の自由行動日に撮ったわたくし達特務部隊と旧Z組の集合写真ですわね。」
「…………ずっと持ち歩いていたみたいですね。」
「…………ミリアム…………」
心配そうな表情でミリアムの安否を考えていたリィンだったがすぐに気を取り直して生徒達に指示をした。
「―――現時点をもって非常事態が発生したと判断する。君達は宿泊小屋に待機、演習地方面への連絡を頼む。セレーネは俺と共にこの建造物の探索だ。」
「えっと………わたくしは構いませんが…………」
リィンの指示に生徒達がそれぞれ血相を変えている中セレーネは気まずそうな表情で生徒達に視線を向けた。
「おい、そいつは…………」
「…………お二人で行くつもり、みたいですね。」
「あ…………」
「…………すまない。だが今回は今までと状況が違う。この先は、あのミリアムが自力で帰還できないほどの”何か”が待ち受けている。今回ばかりは――――」
「――――冗談ではありません!」
リィンが生徒達を説得しようとしたその時
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