§6 アテナ編あとしまつ
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「うん。悪いけど、あのままだと護堂が負けただろうから横槍入れさせてもらったよ」
あのままだと被害が甚大になるし、と続けて話す。アテナは目を瞑り黙っている。
「……決闘に介入したこと、やっぱり怒る?」
おそるおそる、尋ねるのは、ここで戦闘をしたくないから。正々堂々の戦いを汚しておいて今更コレはないよなぁ、と心の奥底で自嘲する。
「別に。何時、何処で、何が起こるか予測がつかないのが戦というものだ。とくにこの国ならばあなたの妨害を予想して然るべきだ。しかし何故姿を現さなかった? 900年程前のアレはあなたは負傷していたが今回はそうではないだろう。今のあなたなら妾とも戦えるはずだ」
「うーん、ちょっと事情がありまして……」
苦笑いする黎斗の様子を眺めるうちに、アテナの表情が意地の悪い笑みに変わる。
「ほぅ…… さては草薙護堂に神殺しであることを隠しているな?」
あっさりバレた。まぁ、当然か。隠していなければ共闘すればよかったのだから。
「うん。だから口裏合わせてくれないかな?」
「……妾にそれを頼むか?」
いかにも呆れた、という様子のアテナ。
「妾にそれを聞く義理も道理もないぞ。むしろ草薙護堂に告げてやろうか悩んでおるわ」
「僕の正体がバレないほうが護堂が成長するでしょ。味方のカンピオーネが居なければ否が応でも頼れるのは自分だけだ」
「アテナ様も草薙様と再戦なさりたいのでしょう? 強い敵と戦いたいのではありませんか?」
口には出さずにそっと心の中でエルのアシストに感謝し、彼女の様子を伺ってみる。
「ふむ、やつを鍛えるためか。たしかに一理ある。彼には我が敵として十分な力を備えてもらい、その上で大戦といきたいものだ。よかろう、その案を呑んでしんぜよう」
えっ、何この展開。予想外に早い納得って何よ。まさか護堂、アテナも落とした!?
……などと黎斗の驚愕をよそにしばしの沈黙の後肯定的な返事を返すアテナ。
「あなたと戦っても良いと考えていたのだが、どうやら今のあなたは先の戦いで力を消耗した私では相手にならないようだ。古くは不覚を取ったが次はいかぬぞ。まぁ今回はおとなしく茶会としゃれこもうか」
「あ、マスターおかわり」
「……なんともまぁアナタ方ごーいんぐまいうぇいですな。いやいいけどね」
ため息をつきながら空となったアテナとエルの茶碗に抹茶を入れる。
「ただいまー。やっぱり神様いたんだ?この感じだと外国の神様?」
恵那が帰宅したらしい。この場の言い訳どうしよう?っーか彼女は何故外国の神の気配を当てられるのだろう? 野生児の超感覚で済ませられる次元ではないだろう。いや待て普通に流したけどなんで神がいること驚かないの?
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