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高知の洞窟
第六章

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「何千年も前のこの地域に住んでいた人のものでね」
「ああ、その頃にどれ位の文明があったか」
「その貴重な資料となるんだ」
「考古学として」
「そうだよ、本当にここにあったね」
 この洞窟にというのだ。
「凄いね、じゃあね」
「この土偶を手に入れて」
「そして大学に帰って詳しく調べるよ」
「そうするんやな」
「これからね、いや本当に」 
 教授は感動を隠せないことが声でも物腰でもわかった、もうそこには胡散臭さはなく純粋な学問への喜びが見られた。
「大発見だよ、君達のお陰だよ」
「そう言ってくれると嬉しいわ」
 紗枝は教授のお礼の言葉に笑顔で応えた。
「ほなこれからな」
「まずは街までだね」
「帰ろうな」
「うん、それじゃあね」
「術も使ってな」
 ここで術だった、そして実際に術を使ってだった。
 四人は教授を連れて洞窟を出て街に帰った、すると教授は四人に報酬を渡してから笑顔で別れ大学に戻って行った。
 四人は仕事を終えてまた恐竜料理のレストランに入った、今度はステゴサウルスのシェラスコを食べていたが。
 紗枝の手にだった、ある書が出て来た。その書はというと。
「古今和歌集や」
「ああ、学校の授業で出てくる」
「あの和歌集やな」
「日本最初の勅撰和歌集やな」
 四人もその書を見て言った。
「あまりにも有名やな」
「六歌仙も出て来てな」
「和歌も一杯あるな」
「これを持ってると」
 どうなるかとだ、紗枝は三人に話した。
「知力がかなり上がるわ」
「そやねんな」
「神具だけあってか」
「そうなるか」
「そや、それにや」
 神具を手に入れてというのだ。
「さらにや」
「まだあるか」
「紗枝ちゃんに何があったんや」
「二つ目の神具以外に」
「神託を乗り越えて」
 そうしてというのだ。
「余計に強くなったわ」
「全体的にそうなったか」
「一段階ずつか」
「そうなったか」
「ああ、成長したわ」
 笑顔でだ、紗枝は言うのだった。
「一回りな、けれどこれからな」
「もっともっと成長して」
「強くなってな」
「この世界も救おうな」
「そやな、もっとな」 
 笑顔で言ってだ、そうしてだった。
 紗枝は仲間達と共に今はシェラスコを食べ赤ワインを飲んだ、そのうえでこの世界を救うことを誓うのだった。神託を適えてもそれで終わりでないことを知っているが為に。


高地の洞窟   完


                   2019・2・24
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