第四章
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「潜水艦来たらちゃんと行くから」
「いいのですか」
「働いたら負けや」
この持論も言うのだった。
「それでや」
「この度は」
「そや、潜水艦が来たらや。あと舐めてたら水中で息が出来る飴な」
雅美は飴の話もした。
「それよおさん用意してくれるか」
「戦闘に使われますか」
「うちは蛙人やからええけど」
それでもとだ、雅美は一緒に寿司屋のカウンターで寿司を食べている三人を見つつ言うのだった。尚食べている寿司は特上握りだ。金があるからこそだ。
「皆は種族がちゃうから」
「それからですか」
「そや」
まさにそれでというのだ。
「飴も用意してな、三人共念の為に何十個も持ってうちもな」
「貴女もですか」
「皆がなくしたり落とした時に備えて」
万が一、それにというのだ。
「そうしてや」
「持たれますか」
「備えあれば楽出来る」
憂いなしではなかった。
「そやからな」
「飴もですね」
「用意してな」
そうしてというのだ。
「行くで」
「それでは」
役人もこのことには同意して頷いた、雅美は飴の話をしてからも寿司を食べていたが四人共酒は飲まなかった。
それでだ、潜水艦が一隻街に戻って来るとだった。
四人は潜水艦にすぐに乗り込んだ、勿論飴も多く持ってだ。そうしてから十人位が乗れる艦を動かしている操縦手に言った。
「あっ、火山の近くに来たら」
「そこで、ですか」
「潜水艦から出るから」
そうするからだというのだ。
「その時は海中に出る為の部屋に行くから」
「そこからですね」
「海に出て」
そうしてというのだ。
「戦に出るわ」
「大丈夫ですか?火山の近くは」
海底火山の近く、そこはというのだ。
「火山の中にいる魔物だけでなく」
「手下もよおさんおるな」
「千は」
「ああ、それ位やったらな」
それこそとだ、雅美も他の面々もだった。
何でもいいという顔でだ、こう言った。
「いけるわ」
「心配無用ですか」
「帰る時の準備もしておいてや」
「では」
操縦手は幾ら何でもだった、四人が幾ら星の者達でも大丈夫かと思った。海中での泳ぎつつの戦闘になるからだ。
不安を感じていた、だが四人共平気な顔で出た。特に蛙人で漁師である雅美は。
海中に出るとマリンブルーの世界の中を快適に泳ぎ早速迎撃に出て来た魔物達を術とその手に持っている神具の三叉戟でだった。
次々に倒していった、星の者達の魔力即ち知力は強く水中でも威力は落ちない。それもまた四人の強みになっていた。
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