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モンスター大発生
第三章

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「アマゾンで一番強いモンスターは何かって話してな」
「それでちょっと言い合いになったんだよ」
 昆虫人の男も言ってきた。
「グリーンドラゴンの長生きしてるのかシーサーペントの古いのかってな」
「ここそういうのもおるからな」 
 瑠璃子はアマゾンにはこうした強力なモンスター達もいることを知っていてそれでうんざりとした顔になって述べた。
「怖いな」
「ああ、それでな」
「どっちが強いかってか」
「言い合いになってな」
「俺は船で仕事していてな」
 それでとだ、昆虫人の男は話した。
「渡し守をしているけれどな」
「それでやな」
「川の主はな」
 アマゾンのそれはというと。
「シーサーペントだからな」
「俺だって密林で仕事してて言えるんだよ」
 亀人の男も言ってきた。
「樵としてな」
「ジャングルの方はっていうと」
「そうだよ、グリーンドラゴンがな」
「ジャングルの主やねんな」
「どれだけ強いと思ってるんだよ」
 長生きしているグリーンドラゴンがというのだ。
「もうとんでもなく大きくてな」
「力も強くてやな」
「長生きしてて頭もよくてな」
 知識を蓄えていてだ、ドラゴンは巨体とその息だけでなく術を使うことも力の源だがその叡智は長寿から蓄積していくものだ。
「あんな強いものないだろ」
「それを言ったらシーサーペントだってな」
 ここで昆虫人の男も言ってきた。
「術を使うぜ」
「長生きしたらな」
「川の中のどんな獣やモンスターも一口だしな」
 そこまで大きくてというのだ。
「クラーケンだってそうだしな」
「何、グリーンドラゴンに決まってるだろ」
「いや、シーサーペントだ」
「ちょっと待ってや」
 また言い合いをはじめた両者にだ、瑠璃子は呆れた口調で話した。
「アマゾンでも密林と川やん」
「それがどうしたんだよ」
「違うっていうのかよ」
「そや、同じアマゾンでもな」
 そこにいてもというのだ。
「それでもや」
「違うっていうのかよ」
「全く」
「そや、密林は密林でな」
 それでというのだ。
「川は川でちゃうし」
「どっちが強いって言えないっていうんだな」
「グリーンドラゴンとシーサーペントじゃ」
「そやろ、そやからそんな話しても」
 それこそというのだ。
「意味ないで、まあ落ち着いてな」
「喧嘩はするな」
「そう言いたいんだな」
「そや、お酒飲んでるんやし」 
 二人の顔と息でわかることだった、二人共顔は真っ赤で酔漢の顔になっていて息は実に酒臭い。それでわかることだった。
「もう今日は解散しよか」
「話を止めてか」
「それでか」
「そや、それがええわ。酒飲んだ時の話なんか」
 それこそというのだ。
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