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【ユア・ブラッド・マイン】〜凍てついた夏の記憶〜
吹雪く水月4
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中の電子製品、電子部品は変わらず従来製のものが一線を張っている。例えばこの店の出入り口は魔鉄ロックでがっちり固めているが……』

 何を今更、と思う。魔鉄ロックなど今や防犯の基本だ。魔鉄ガラス、魔鉄キー、安易な安全性を確保出来るからか防犯では魔鉄の独壇場である。

『実は、店の窓には魔鉄が入ってても制御には流石に魔鉄を使っていない。お前が侵入に使った上窓には自動開閉機能があるが、制御系は従来型だ。店主は恐らく、出入り口の戸締りは出来ても上窓だけは自力でも閉める事が出来なかったんだろうな』
「ん……でも、これ。この店の鍵、魔鉄と電子の複合ロックなんだろ?電子製品動かないのになんで鍵がかかるんだよ」
『魔鉄インカムは動いたろ?』
「あ。」

 魔鉄インカムは定義づけ5つで事足りるため完全魔鉄製だ。つまり、電子製品の機能や制御に魔鉄が用いられている品は問題なく機能しているという事だろうか。この男、普段は嫌味ばかりの頭でっかちだが、こういう事態でも問題なく頭でっかちな仕事をするものだ。

『電話にもバッテリーや外装に魔鉄を使ってる品はないでもないが、高級品だ。それに制御系に魔鉄は使ってない。非効率だからな。公衆電話が通じなかったのも、大本の制御は非魔鉄部品だからだ』
「操ってるのは電気?いや、でも店の電気(あかり)は普通だな」
『答え合わせは後でいいだろう。対応できれば問題はない』

 それでいいのか?とも一瞬思うが、いいか、と納得する。
 もともと難しいことは悟が考え、永海はそれに従う。そういう契約だ。

「これからどうすればいいんだ?」
『現状、妨害してる奴はそこから西にあるでかいビル――『ラムロック51』とかいうのの屋上にいる。そこが最も効果範囲が広く、そして逃走しやすい場所なんだろう。どうやらさしものテロリスト共聖学校のお膝元に侵入するのに人数は用意出来なかったらしい。とはいえ油断は禁物だがな』
「まぁまぁ。倒せなくても要は術の発動を妨害出来ればいいんだろ?」
『そういうことだ。そこは分かってるじゃないか』
「馬鹿にすんな。お前よりは馬鹿だけど」

 一度でも術を乱せば町の機能は全て回復する。その瞬間に町から学園全域、周辺の警察や軍関係施設に一斉に情報が入る。テロリストは逃げる以外に選択肢はなくなるだろう。
 冷静に考えれば、あちらもそう優勢な状態ではない。何か一つしくじれば襲撃する側の立場が逆転する。
 であるならば、友達の為にえんやこら。

「こんなオナベ女と友達でいてくれる連中なんだ。そう簡単に手放せるかっての!!」



 = =



 強烈な浮遊感と共に空に投げ出されたエイジたち4人だったが、既にエイジは手を打っていた。

「これ、氷のドーム……いや、ボール!?」
「冷
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