16部分:十六.神楽こそ
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十六.神楽こそ
十六.神楽こそ
宮中において催される雅楽の演奏、即ち神楽は本当に優雅なものでありまして心を揺れ動かされるものであります。
よく聴こえてくる音は普通の笛と小さな竹笛でどんな時でも聴いていたいのは琵琶や琴であります。
音楽がわかるつもりではありませんがそれでも聴いているとやはり心地よいものであります。この宮中の神楽だけに言える話ではありませんがとにかく音楽というものは聴いているとそれだけで心が安らぎかつ華やかなものになります。これを聴く楽しみと喜びこそ人としての幸せの一つでありましょう。かつて孔子は音楽を聴いてその美しさに心を奪われ食事すら忘れてしまったといいますがさもありなんです。今実際に聴いていても心を奪われてしまい夢中になってしまいます。笛の音だけでなく琵琶にしろ琴にしろ。そこには優雅もあれば美麗もあります。願わくばこのまま聴いていたいものであります。けれど終わりがあるからこそまたいいものでありまして。この辺りが実に難しいものなのでありますが考えてみれば終わりがあるからこその美しさであり優美さでもあります。この辺りは何と申しましょうか加減でありましょうか。とかく音楽のよさは聴いてみないとわからず聴いて心を奪われてどうしようもなくなってしまうものであります。このことを今書き留めさせてもらいます。
神楽こそ 完
2009・5・1
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